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2人目操縦士 訓練進まず 県防災ヘリ事故前

 3月の県消防防災ヘリコプター墜落事故で死亡した県消防防災航空隊の隊員らが事故の約1年前から、安全対策として機長席と副操縦席にパイロットが搭乗する「ダブルパイロット制」を求めていた問題で、同航空隊の訓練中のパイロットの搭乗訓練時間が入隊から2年余で計約55時間にとどまっていたことが6日、県などへの取材で分かった。隊員らはパイロット養成にもつながるとしてダブルパイロット制の必要性を訴えていたものの、養成が十分進んでいなかった実態が浮かんだ。

 墜落したヘリ「アルプス」を運航していた航空隊のパイロットは機長1人と訓練中の2人の計3人。訓練中の1人は、アルプスの機種「ベル412型」の操縦免許を持っており、もう1人は免許取得を目指している段階だった。

 免許を持っていた1人は、同隊に採用される前は山梨県の防災ヘリで副操縦士を務めていた。同県の消防防災航空隊などによると、同県で在籍した約6年間で690時間の経験があった。

 しかし、このパイロットが2015年1月に長野県消防防災航空隊に入隊してから今年3月の事故まで、アルプスでの訓練時間は約55時間にとどまっていた。

 同県消防課の花岡徹課長は5日、ダブルパイロット制が実現しなかった理由について訓練中のパイロット2人は「副操縦席に乗る技量があるかどうか、客観的に見極められなかった」と説明した。

 しかし、山梨県の消防防災航空隊関係者は取材に、同県の防災ヘリに乗っていたパイロットは十分な技量があった―との認識を示した。長野県消防課もこのパイロットの山梨などでの飛行実績は把握していた。

 花岡課長は6日、取材に、このパイロットが長野県の航空隊に入って以降、訓練時間が少なかったことについて「教官である機長と訓練中のパイロットの間で訓練の方向で見解が一致していなかった」と説明。一方、訓練中のパイロットの技量を公正に評価するため専門機関に相談していたともし、「専門機関から意見を聞いている最中に事故は起きた」とも述べた。

(9月7日)

長野県のニュース(9月7日)