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蜂の巣撤去で引火か 千曲の県宝火災 作業男性説明

焼け落ちた松田館で実況見分に当たる千曲署員ら。左側が斎館、右側が主屋があった場所=7日午前9時31分、千曲市八幡焼け落ちた松田館で実況見分に当たる千曲署員ら。左側が斎館、右側が主屋があった場所=7日午前9時31分、千曲市八幡 焼失前の松田館。正面が主屋(千曲市提供)焼失前の松田館。正面が主屋(千曲市提供)
 千曲市八幡の武水別(たけみずわけ)神社の神主・松田家に伝わる屋敷「松田館(やかた)」で6日夜に県宝の「主屋(おもや)」など複数の建物が焼失した火災で、千曲署と千曲坂城消防本部は7日午前、現場を実況見分した。同署は、煙を吸って長野市内の病院に運ばれた近くの男性が「蜂の巣の撤去作業をしていて(建物に)引火した」と同署に説明しているとし、出火原因などを詳しく調べている。

 千曲市教育委員会によると、ともに県宝の主屋と斎館に加え、「料理の間」や、知事を接待するために明治に建てられた「新座敷」の計4棟が全焼。味噌(みそ)蔵も部分的に焼いたとみられる。料理の間と新座敷はともに市有形文化財。

 実況見分は午前9時ごろから、千曲署員と千曲坂城消防本部職員の計20人余が、館の敷地内で出火原因や焼失面積を調べた。小雨が降る中、黒く焦げてむき出しになった柱や屋根などを写真に撮ったり、出火を目撃した近隣住民から話を聞いたりしていた。火元とみられる主屋では、焼け残った基礎部分や柱にテープを張り、建物の大きさや形を再現する作業をしていた。

 午前10時半ごろには、岡田昭雄市長が現場を訪れ、報道陣の取材に「江戸時代からある貴重な文化財を失った。(一般公開に向け)12年をかけて整備してきた。残念の一言に尽きる」と述べた。残った建物の保存などについては今後、県や国などと協議しながら検討したいとした。

 市教委によると、火災前の6日昼に館を訪れていた市教委歴史文化財センター所長が、主屋の軒先で直径40〜50センチの蜂の巣1個を発見。市内の文化財でこれまでも蜂の巣の駆除経験がある男性に撤去を依頼した。撤去に使う機材は男性が用意したという。

 市教委によると、主屋は18世紀前半ごろに建てられたとみられ、かやぶき屋根が特徴。斎館は幕末の1861年、神事のための神殿として建てられた。敷地全体が県史跡に指定されている。市は、主屋のように近世の神主家の住宅が文化財として保存されている例は全国的に少ないとしている。

(9月7日)

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