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「加熱式たばこ」は葉タバコを熱して蒸気を吸う。煙が出にくく有害物質が少ないのが売りで、愛好者が急増している。子どもの誕生を機に切り替えた若者に「この際やめたら」と言うと「周りに迷惑がられなくなった」と自慢された

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現在、国内で3ブランドが売られている。意外なことに普及したのは日本だけという。それだけ周囲を気にして肩身の狭い思いをしている愛煙家がいるということか。海外ではニコチン入りの液を加熱する「電子たばこ」が主流という事情もあるようだ

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加熱式への移行は税収面では困るらしい。年間2兆円余りのたばこ税は今年、500億円以上も減る見通しだ。「パイプたばこ」に分類される加熱式の税金が軽いためだ。国、地方の事業と旧国鉄の借金返済に使え、消費の減少分も増税で補える、政府には都合のいい税金である

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案の定、自民党の税制調査会長が見直しを表明した。たばこは受動喫煙の害が分かるにつれ「欧州並みに高くして当然」との声も聞くようになった。だからといって取りやすいところから無原則に取るのはどうか。加熱式は定義さえ定まっていないのだ

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歩きたばこ禁止では自治体の対応が分かれる。煙害、やけどはなくても、ポイ捨ての心配はある。長野市の条例案は「喫煙の対象にしない」と禁止せず、努力義務にする方針だ。蒸気に含まれる有害物質が周囲にどう影響するのかもはっきりしない。この評価こそ国が急ぐべき課題である。

(9月9日)

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