長野県のニュース

御嶽神社奥社 祈とう所の外壁 展示・保存へ 木曽町

火山灰や噴石で損壊した御嶽神社奥社の祈とう所=2014年10月4日(本社チャーターヘリから撮影)火山灰や噴石で損壊した御嶽神社奥社の祈とう所=2014年10月4日(本社チャーターヘリから撮影)
 2014年9月27日の御嶽山噴火災害で被災した山頂にある御嶽神社奥社の祈とう所の外壁について、木曽郡木曽町が山麓に整備するビジターセンターへの移設、展示を検討していることが8日、分かった。壁には噴石によって複数の穴が開いており、噴火の恐ろしさを伝えることができると判断した。被災した建物の保存が決まったのは初めて。

 展示するのは、祈とう所の火口側の壁で、縦3メートル、横4・5メートルほど。今秋に取り外し、ヘリコプターで山麓に下ろす。祈とう所は、山頂付近にある御嶽頂上山荘や御嶽剣ケ峰山荘よりも火口に近く、他の施設よりも被害状況が分かりやすいという。気象庁が8月21日に、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)に引き下げたことを受け、神社側は解体の準備に入っている。

 壁は取り外し後、いったん町内の施設で保管し、火山防災について啓発するビジターセンターが完成した段階で展示する。同センターは20年度中に設置予定で、場所は未定。

 町は8日開会した町議会9月定例会に、関連費用216万円を盛った一般会計補正予算案を提出した。山頂付近に残る遺留品をパトロール隊員が回収する賃金など15万円も計上している。

 原久仁男町長は取材に、「噴火災害を風化させないために、噴石による被害のひどさを伝えたいと思った」と話している。

 祈とう所の近くで夫を亡くした野口弘美さん(59)=北安曇郡池田町=は、「噴火の恐ろしさを伝え、登山者や地元住民の火山への認識を高めることにつながる」と壁の展示方針を歓迎する。夫の泉水(いずみ)さん=当時(59)=は噴火時、祈とう所の東側で建物に迫る噴煙を撮影した。弘美さんは噴火後、夫が残した写真を山麓で展示してきた。「災害の風化を防ぎ、悲劇を繰り返さないために(こうした取り組みが)欠かせない」としている。

(9月9日)

長野県のニュース(9月9日)