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ひょう害リンゴ 味は良し 上田市と農協 販路拡大図る

降ひょう被害のリンゴを品定め。農産物直売所の特設会場は盛況だった=10日、愛知県大府市降ひょう被害のリンゴを品定め。農産物直売所の特設会場は盛況だった=10日、愛知県大府市
 5月末の降ひょうで果樹や野菜に被害が出た長野県上田市と信州うえだ農協が、県外の姉妹都市などの物産展でのリンゴ販売に力を入れている。収穫期を迎えたリンゴは傷が目立ち、スーパーなどの一般流通では消費者に選んでもらえない可能性が高いことから、消費者に直接、ひょう害の経緯や味の良さをアピール。愛知県大府(おおぶ)市で10日開いた出張販売会は大勢でにぎわった。

 上田市と東御市では5月31日夜に直径2センチほどのひょうが降った。果樹や野菜の被害額(速報値)は上田市で3469万円、東御市が1346万円。同農協によると、リンゴの被害面積は約76ヘクタールに上り、味は変わらないものの、表面に打撲跡ができたものも少なくないという。

 同農協は、生果や贈答用で市場流通させるのは難しいと判断。一方、ジュースなど加工用では農家収入が減るとし、上田市を通じて姉妹都市の新潟県上越市、東京都練馬区、神奈川県鎌倉市、和歌山県九度山町、兵庫県豊岡市などに協力を打診。例年の約3倍という30余の物産展でリンゴを販売することになった。

 最初の出張販売となった10日の大府市の農産物直売所では、試食で味の良さをアピール。来場者は「おいしい」と次々買い求め、1個50円という安さもあって、用意した約900個の「つがる」が約2時間で売り切れた。

 会場には降ひょう時の写真も並べ、開催を仲介した県や上田市、農協の職員らが被害状況を説明。これから収穫する秋映(あきばえ)やサンふじなどの注文を受け付けるチラシも渡し、農家支援を呼び掛けた。愛知県日進市の福安由紀さん(44)は「家族で食べるのなら見た目は気にならない」。同県刈谷市の横井愛子さん(67)は「災害はどこでも起こる。少しでも役に立てれば」と買っていった。

 出張販売は今月下旬から本格化させる。農協の販売担当者は「今年は各地の好意に甘える形になるかもしれないが、日当たりの良い上田のリンゴをアピールし、来年は被害のないリンゴを持参するなどして販売拡大につなげたい」と意気込んでいる。

(9月12日)

長野県のニュース(9月12日)