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キノコ使用済み培地で「希少糖」を量産 県テクノ財団開発へ

 県テクノ財団(長野市)が東京理科大(東京)や県内製造業の企業などと連携し、キノコ栽培の使用済み培地から、自然界にわずかしか存在しない糖類「希少糖」を量産する研究開発を近く本格的に始める。同大の技術を生かし、キノコ産地の県内で処理が課題になっている使用済み培地を活用。消費者の健康志向を背景に、低カロリーな希少糖の需要拡大を見込み、高付加価値の製品を生み出し、新たな産業創出を狙う。3年以内の実用化を目指す。

 同財団と同大に加え、高機能性材料の開発製造などを手掛ける同大発ベンチャーのアクテイブ(千葉県野田市)、めっき加工などの信光工業(長野市)、同社関連企業でキノコ生産のキノコ村(同)などが参加する。

 同財団などによると、使用済み培地にはグルコース(ブドウ糖)がつながった構造のセルロース(繊維質)が多く含まれ、セルロースを化学分解してグルコースを抽出し、さらに、光触媒作用でグルコースを化学反応させて希少糖を生成する=図。信光工業はキノコ栽培用装置を製造したことがあり、関連の装置開発も進め、希少糖の量産体制の構築を目指す。

 県内では使用済み培地が同財団の推定で、ブナシメジ年約17万トン、エノキタケ年約20万トン程度発生し、処理にコストや手間がかかっている。同大はバイオマス(生物資源)からグルコースを取り出して希少糖を生成する技術を持ち、同財団との交流の中で使用済み培地の活用が浮上した。

 同財団によると、2016年度の予備研究で、1グラムのブナシメジ培地から330ミリグラム、エノキタケ培地からは250ミリグラムと豊富なグルコースを取り出すことができ、希少糖の量産につながる結果が得られたという。今のところグルコースから生成できる希少糖の量は、グルコースの1割に満たないが、生成量の増加を目指し、グルコースの抽出方法の効率化などを進める。

 希少糖は「カロリーオフ」食品などへのニーズから需要拡大が見込まれるといい、同財団の小林宰専務理事は、研究開発が成功すれば「使用済み培地の問題を解決し、『糖産業』を興すこともできる」と強調。同大の阿部正彦教授も「廃棄されるものを生かし、地域の新しい産業に貢献したい」と話している。

(9月13日)

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