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御嶽山頂近くの剣ケ峰山荘撤去 避難施設に

王滝村が取り壊す方向となった御嶽剣ケ峰山荘(手前)。右上は御嶽頂上山荘、左上は御嶽神社の社務所=2016年9月27日撮影王滝村が取り壊す方向となった御嶽剣ケ峰山荘(手前)。右上は御嶽頂上山荘、左上は御嶽神社の社務所=2016年9月27日撮影
 2014年9月の御嶽山噴火災害で、噴石が当たって損傷し、放置されている山頂近くの御嶽剣ケ峰山荘(木曽郡木曽町)について、木曽郡王滝村が撤去し、木曽町と共に新たな避難施設を設ける方向で協議していることが13日、分かった。同山荘は山頂付近にある七つの山小屋で唯一、対応が決まっていなかった。同山荘が避難施設となることで、山頂部に宿泊施設は再建されないことになった。

 御嶽剣ケ峰山荘は王滝村の第三セクター、木曽御嶽観光が運営。木造3階建てで、噴火前は100人ほどが泊まれる施設だった。噴石で屋根に穴が開き、窓ガラスも割れ、中には火山灰が積もっている。

 木曽御嶽観光は、財政的に自社での撤去は難しいと判断。これを受け、両町村が火山防災面から整備の検討を始めた。山荘を撤去し、トイレ付きの避難施設を設け、岐阜県側とも協議しながら、設置や維持管理の費用負担の仕方を考えたいとしている。

 木曽御嶽観光の西村祥夫社長(68)は「自力での撤去は難しいので、行政が乗り出してくれるのはありがたい」としている。

 木曽町の原久仁男町長は「山頂部は木曽町、王滝村、岐阜側のいずれからも登るので、新たな避難小屋を共同で設けたい」と話した。王滝村の瀬戸普村長は「木曽町側から提案があり、一緒に考えている」としている。

 山頂付近の山小屋を巡っては、御嶽頂上山荘については木曽町が町内の民間から無償譲渡を受けて、解体作業を開始。敷地にシェルター(退避壕(ごう))を新設する計画だ。王滝口登山道にある王滝頂上山荘は、王滝村が噴石対策をし、当面、避難所にする方針。

 二ノ池横にある二ノ池本館は、木曽町が民間から譲渡を受け、昨年解体し、新たな山小屋を建設中。町は山麓に設ける火山防災を啓発する「ビジターセンター」のサテライト施設に位置付け、噴火関連の展示やパトロール隊員の拠点、避難場所などにする。

 二の池新館(岐阜県下呂市)は、噴火災害に加え、経営者が高齢のために休業中だが、山小屋を存続させたい考えで、新たなオーナーを探している。9合目にある石室山荘は昨年から営業を再開。9合目と二ノ池の間にある覚明堂は営業を取りやめている。

 気象庁は8月21日、御嶽山の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げた。長野、岐阜両県や周辺市町村でつくる御嶽山火山防災協議会はその後も、火口からおおむね1キロ圏内の入山規制を維持しているが、両町村は入山規制の緩和に向け、防災態勢の充実を検討している。

(9月14日)

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