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秋祭りの楽しみに地口行灯(あんどん)がある。先月下旬から毎週どこかで祭りばやしが聞こえる長野市では、川柳に絵を添えたものを地口行灯として掲げる地区が多い。宵の口、笛の音に誘われて路地に入ると、まず目がいくのが行灯の明かりだ

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先週、善光寺近くの八幡社例大祭でニヤリとさせられた一句。〈イケメンと手をつないでくデイの朝〉。迎えに来たデイサービスの青年にときめく気持ちはまだ若い。〈理不尽も数がもの言う多数決〉。ため息が出るばかりの1強政権の振る舞いである

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地口とは、ことわざや俗語を音の似た言葉に置き換える駄じゃれ遊びで、江戸中期からはやった。〈あん汁より瓜(うり)が安い〉といった語呂合わせに絵を添えた行灯を掲げた。落語にも「地口落ち」の終わり方が多い。おなじみの「三方一両損」は大岡越前にかけた駄じゃれが落ちだ

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もともと日本語は音節が少なく、駄じゃれにしやすい。冷ややかに見られがちな「おやじギャグ」も伝統の産物と言っていい。世に地口のネタは尽きまじで、唐突な国会解散も材料にしたくなる。安倍首相にとって「自民(・・)党」は「自分(・・)党」だったようだ

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さすがに「勝つのが目的の解散」とは言えないから、消費増税分を教育費に充てることを大義にするという。その分借金が増え、また次世代にツケが回る。加計学園問題の追及をかわす狙いもあるらしい。恩恵は親友の「加計(・・)」から「家計(・・)」に? 大義を信じる有権者は、さてどれほどか。

(9月20日)

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