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信大発、ナスでベンチャー 農学部准教授ら健康食品開発へ設立

 信州大農学部(上伊那郡南箕輪村)の中村浩蔵准教授(食品分子工学)と、まな弟子で農学博士の小山正浩さん(31)らが、ナスに豊富に含まれる有効成分「コリンエステル」を活用して健康食品開発を手掛けるベンチャー企業「ウェルナス」を設立した。コリンエステルには血圧を下げる効果があると発見した中村准教授の研究成果を、社会に還元する狙い。既にナスを原料にサプリメント開発を進めており、来年6月に発売する計画だ。

 中村准教授は、ソバの若芽を乳酸発酵させた上澄み液(発酵キョウバク)に血圧の降下作用があることを長年の研究で確認。約3年前、有効成分がコリンエステルと突き止めた。調査の結果、ナスにはトマトやピーマンなどの千倍以上、発酵キョウバクの5倍以上が含まれていることが判明。ナスを活用した健康食品を世に送り出そうと今年5月にウェルナスを設立した。

 本社は信大繊維学部(上田市)の産学連携施設に設け、農学部内に分室を設置。同大大学院博士課程を経てポストドクターとして中村准教授の下で研究を続けた小山さんが社長に就いた。資本金1千万円は2人で多くを工面した。

 同社は乾燥させた粉末状のナスを加工してサプリメント開発を進めており、8月には試作品ができた。販売戦略も詰め、大学側などの支援を受けながら資金調達も進める。信大は農林水産省の支援を受けて産学官連携でナスの健康効果を確かめる研究を進めており、関係機関でその結果を基にサプリメントを機能性表示食品として国に届け出る方針だ。

 高血圧は脳疾患や心疾患などの危険因子とされる。中村准教授は「超高齢化社会の一助となれるよう、スピード感をもって研究成果を社会に還元したい」。小山さんは「コリンエステルがナスに多く含まれ、体に良いというイメージはまだ広まっていない。認知度を高めながら経営を軌道に乗せたい」と話している。

 20日には信大が、開発中のアシストロボットの最新モデルを発表し、別のベンチャー企業が製品化を目指している。同大ではベンチャー企業を立ち上げる機運が高まっている。

(9月21日)

長野県のニュース(9月21日)