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現存する最古の地球儀は1492年にドイツで作られた。「東洋の国と思った」の語呂合わせが懐かしいコロンブスの“新大陸発見”と同じ年である。この地図に米大陸は見当たらない。「アメリカ」の表記は1507年に登場している

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安倍晋三首相の地球儀はどんなものだろう。「地球儀を俯瞰(ふかん)する外交」を掲げ、外遊を重ねてきた。そもそも外交は視野広く世界を見渡しながら行うものでは―という疑問はさておき、ひょっとすると米国ばかりが大きく描かれているのではないか

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先ごろの国連総会でもトランプ大統領との緊密な連携をアピールしている。北朝鮮への対応で武力行使を排除しない米国の立場を「一貫して支持する」と演説で表明した。現地で約1時間の首脳会談も行い、記者団に「日米は100パーセント共にあることを確認した」と語っている

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米国との一体感を強める一方で、ロシアや中国との溝はなかなか埋まらない。北方領土問題の進展は見通せず、日中韓首脳会談は延び延びの状態が続いている。北朝鮮対応を巡っても中ロは対話による解決を主張し、圧力路線の日米とは一線を画す

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首相はきょう記者会見を開き、28日に衆院を解散する意向を表明する。有利なタイミングを見計らった大義なき解散で、争点ははっきりしない。政権選択を迫るからには、これまでの仕事を自ら総括する必要がある。対米追従が色濃い「地球儀外交」についても、詳しく聞かせてもらいたい。

(9月25日)

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