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こじつけ、と言うほかない。衆院を解散する理由についての安倍晋三首相の説明である。きのうの記者会見では「子育て世代への投資を拡充するため消費税の使い道を変更する。大きな変更を行う以上国民に信を問わねばならないと決断した」と述べた

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3年前、首相は消費税率引き上げの延期を打ち出しその是非を問うとして衆院を解散した。同じようなやり方だ。政治家が税を巡り国民に信を問うと言うのなら増税のときこそ解散すべきだろう。首相の言葉にはごまかしがある。国民に対し不誠実だ

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選挙をやれば森友・加計問題をリセットできる。今なら議席を大きく減らさないですみそう。教育無償化を党の改憲案に掲げる日本維新の会と連携する道も開ける…。表向きの解散理由の後ろに打算の数々が並んでいる。これでは有権者をしらけさせる

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旧民社党の委員長だった春日一幸氏は生前、自民党政治について「理屈はあとから貨車で来る」と話していたという。理屈に合わないことがまかり通る実情を巧みに言い表した言葉として語り継がれている。今の政治に通用しない、通用させてならない言葉であるのはもちろんだ

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解散についてはメディアも反省せねばなるまい。「首相の専権事項」としばしば報じてきた。専権とは「思うまま権力を振るうこと」と辞書にある。思うままの解散が許されるはずもない。衆院選では乱暴な政治にどう歯止めをかけるかが問われる。しらけてはいられない。

(9月26日)

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