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松枯れ被害拡大防止へ実験 伊那市と信大、ドローン使い

ドローンを使って上空から撮影した林の画像をモニターに映し、確認した実証実験ドローンを使って上空から撮影した林の画像をモニターに映し、確認した実証実験
 伊那市と信州大山岳科学研究所(上伊那郡南箕輪村)は25日、同市富県の民有林約5ヘクタールで小型無人機ドローンを使って松くい虫被害を把握する実証実験をした。約12分飛行させ、上空から写真撮影。搭載するセンサーが、葉が太陽光を反射する際の、光の強弱などを計測した。今後、データを解析し、被害のない「健全木」、松枯れの可能性がある「感染木」、被害に遭った「枯損木」を判別し、被害拡大を防ぐ方法に役立てる。

 信大は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から受託し、20年度打ち上げ予定の先進光学衛星に載せる高性能センサーを松枯れ被害対策に生かす研究を始めている。米国の人工衛星に搭載した同じセンサーを使って7月、富県の5ヘクタールの画像を撮影済みだ。

 松枯れの解析技術を開発した同研究所の加藤正人教授によると、この日ドローンに載せたセンサーは、人工衛星に載せたセンサーの小型版。広域の状況が分かる衛星のセンサーに対し、ドローンのセンサーは、枝ごとの細かな被害状況も把握できる。こうした実証実験は国内初といい、人工衛星のセンサーで撮影したデータを検証する目的もあるという。

 実験には市や同研究所の関係者らが参加。ドローンの撮影画像をモニターで確認した。データは、信大発のベンチャー企業「精密林業計測」(南箕輪村)が解析し、結果を伊那市に提供する。

 市内では2006年度に松枯れ被害が初めて確認され、16年度の被害量は06年度の4倍近い2847立方メートル。実験を視察した白鳥孝市長は「マツタケ産地だったこの場所では、数年間松枯れに苦しんで伐倒や薫蒸などの対策を進めてきた。(新技術で)目視でははっきり分からない被害も判別できるようになる」と期待した。

(9月26日)

長野県のニュース(9月26日)