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焼け残った文化財「救出」 千曲市八幡の「松田館」

松田館の火災現場から、木製の箱のような物を掘り出した「救出」作業松田館の火災現場から、木製の箱のような物を掘り出した「救出」作業
 県宝の「主屋(おもや)」など5棟を全焼した千曲市八幡の「松田館(やかた)」で25日、文書や陶磁器といった焼け残った文化財の「救出」作業が始まった。断片でも保存しようと、市教育委員会が県教委を通じて県内各市町村教委などに職員の派遣を要請。県教委を通じてのこうした要請は初めてで、呼び掛けに応じた各市町村教委や県立歴史館などの学芸員ら文化財担当者31人が、掘り出しや洗浄に当たった。

 現場で史料と廃棄物を分けて運び出す「回収班」、回収した史料を分類する「資料班」、史料の洗浄や汚れの拭き取りをする「洗浄班」などに分かれて作業。回収班は主屋南側から、現場に積もった瓦やかやぶき屋根のかやの撤去を始め、その後、陶磁器や家具の一部、布類などを掘り出した。

 資料班が分類した史料は、更埴中央公園市民プールに運搬。洗浄班がブラシやスポンジで汚れを落とし、更衣室に並べて乾かした。回収班の班長を務めた県立歴史館の大竹憲昭総合情報課長は「全焼の割には意外と史料が残っている。史跡調査の経験を生かしたい」。市教委歴史文化財センターの矢島宏雄所長は「感謝しかない。作業と同時に現場を見てもらい、二度とこういうことがないよう教訓にしてほしい」と話した。

 10月2日も45人が参加して作業する。被災した文化財の救出や保護の態勢構築を呼び掛けている県立歴史館の笹本正治館長は、県教委に対し「こうした活動を続けられる態勢をリードしてつくってもらい、全国的なモデルケースにしたい」と話した。

 松田館は近くの武水別(たけみずわけ)神社の神主・松田家の屋敷で、火災は6日夜に発生。県宝の主屋と斎館などを焼いた。

(9月26日)

長野県のニュース(9月26日)