長野県のニュース

松本城黒門のしゃちほこ 元は乾小天守に 確認

黒門から取り外されたしゃちほこ。左は屋根の西側、右は東側にあった。黒門から取り外されたしゃちほこ。左は屋根の西側、右は東側にあった。
 松本城管理事務所(松本市)は26日、国宝松本城の黒門の屋根に付いていたしゃちほこが、「昭和の大修理」の際に天守5棟のうちの一つ、乾小天守(いぬいこてんしゅ)から下ろされた物だったと確認できたと発表した。黒門の改修工事に伴い東西のしゃちほこ2体を取り外して調査。形や西側の1体への書き込みが、昭和の大修理をまとめた資料の乾小天守についての記録と一致したとしている。

 しゃちほこは2体とも高さ約1メートル。同事務所によると、黒門の屋根瓦のふき替え前に下ろしたところ、西側のしゃちほこの尾部に「文化九壬申九月吉日」と刻まれた文字が確認できた。

 1950(昭和25)〜55年に実施した昭和の大修理を記録した資料にある乾小天守のしゃちほこの写真と形が一致。資料には「文化九壬申九月吉日」との記述もあり、同事務所が同じ物と判断した。東側の1体も形から乾小天守に付いていた物とみている。

 同事務所が参考にした古文書によると、江戸時代後期の文化9(1812)年4月11日から8月18日にかけて天守を修理した―との記録が残っている。同事務所は、乾小天守のしゃちほこがこの修理に合わせて作られ、設置されたと推測している。

 昭和の大修理で乾小天守のしゃちほこを新調。黒門は1960(昭和35)年に復興工事が行われており、その際に乾小天守に元々あったしゃちほこが移されたとみられるという。

 黒門は老朽化に伴い、屋根瓦のふき替えや石垣の補強などの改修工事を来年3月までの工期で実施中。しゃちほこは屋根に戻さず、新しく作る方針で、同事務所は「改修を契機に分かって良かった。今後は展示などの活用を検討していきたい」としている。

(9月27日)

長野県のニュース(9月27日)