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御嶽山噴火災害3年 63の竹灯籠、犠牲者悼む

竹灯籠の明かりで犠牲者を悼んだ慰霊式=27日午後6時40分、木曽町三岳の太陽の丘公園竹灯籠の明かりで犠牲者を悼んだ慰霊式=27日午後6時40分、木曽町三岳の太陽の丘公園
 27日、木曽郡王滝村の松原スポーツ公園で行われた御嶽山噴火災害の犠牲者追悼式。遺族らからは、悲しみを抱えながらも新たな歩みに踏み出すことへの決意などが聞かれた。

 岡山県の堀口純一さん(70)は初めて出席し、長男英樹さん=当時(37)=を悼んだ。御嶽山を目にし「悲しみが余計に深まった」とする一方、「(入山規制解除後)頂上まで行きたい。できるだけトレーニングを積んで登れるように頑張りたい」と話した。

 一緒に登っていた仲間3人を亡くした松本市の会社員、鈴木康夫さん(60)は、県が本年度中の認定を計画する「御嶽山火山マイスター」を目指しており、「遺族の思いに少しでも応えるために有効な手段。なろうと改めて強く思った」と話した。

 御嶽山を長年研究する東濃地震科学研究所(岐阜県瑞浪市)の木股文昭さん(69)は遺族の姿に「悲しみや怒りを次のステップに生かそうとする姿勢を感じた」。気象庁の噴火警戒レベル判定や県の観測に怠りがあった―として遺族らが起こした訴訟に触れ、「(反論している)国や県は、遺族らに向き合う姿勢が足りない」と話した。

 弟夫婦を亡くした猪岡孝一さん(55)=東京都=は二ノ池まで登り黙とう。「(犠牲になった現場に)一番近づいて、同じ時間を過ごしたかった」と語った。

 この日夕方からは地元住民による慰霊行事があった。

 木曽郡木曽町三岳の太陽の丘公園では三岳地区住民が犠牲者・行方不明者の人数と同じ63本の竹灯籠をともし、約100人で黙とうをささげた。三岳地域自治協議会内の総務福祉部会とみたけ未来創造塾が毎年9月27日に合わせて企画。三岳地域自治協議会長の田ノ上徳延さん(70)は「災害を風化させないよう、遺族の心に寄り添っていきたい」と話した。

 木曽町福島の大通(だいつう)寺では本堂での法要の後、犠牲者の冥福を祈って折られた千羽鶴を焼く「おたき上げ」があった。近くの玩具店経営林理子(あやこ)さん(47)ら住民有志が企画。噴火1年後から毎年続けており、今年は地元住民ら19人が集まり、松原スポーツ公園などに供えられた分も含め、境内で燃やした。

 林さんらは毎月1回集まっては犠牲者のために折り鶴を作っている。「自分たちにも何かできないかと考えた。生活する中で、鶴を折りながら山のことを思う時間を大事にしたい」と林さん。「今後も続けていきたい」と話した。

(9月28日)

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