長野県のニュース

斜面

希望という名のあなたをたずねて/遠い国へとまた汽車にのる…シャンソン歌手岸洋子さんの「希望」は情感込めて歌う。遠い日の思い出、ふるさとの夢、初恋。大人になった日に黙って立ち去った「あなた」にいつか会いたい、と

   ◆

東京芸大卒業後、オペラ歌手を目指したが病気のため断念。シャンソンに出合い道を開いた。「希望」で1970年のレコード大賞歌唱賞を受賞。膠原(こうげん)病と闘いながら歌手を続け92年に58歳で亡くなった。希望との再会は〈終わりのない旅〉なのだろう

   ◆

人生の希望は追いすがっても手が届かず、過度に期待すれば裏切られる。政治の「希望」はどうだろう。小池百合子都知事はよほどこの言葉がお気に入りなのか、新党の党名にした。設立のあいさつでも「日本には希望が足りない」「国民に希望を届けていく」と繰り返し使った

   ◆

日本をリセットするという。パソコンの再起動とは違ってこの国が抱える難題は手軽なキー操作では解決できまい。「希望行き」の列車の旅を勧められても日程や経路が示されなければ安易に乗り込めない。何よりどこに連れて行かれるのか分からない

   ◆

民進党の前原誠司代表は希望の党への合流を推し進めている。安保関連法廃止や護憲を主張する議員は列車に乗車を拒まれるらしい。「安倍1強」批判票を結集するといわれても乗り込めない有権者は多いはず。保守勢力ばかりが肥大化し多元性を失う。政治はそんな終着駅に向かうのか。

(9月29日)

最近の斜面