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「信州DC」きょう閉幕 波及効果は地域で差

松本城と北アルプスを眺めながら松本城公園を歩く観光客ら=29日、松本市松本城と北アルプスを眺めながら松本城公園を歩く観光客ら=29日、松本市
 JR各社や県内自治体が3カ月にわたり展開してきた大型誘客事業「信州デスティネーションキャンペーン(DC)」が30日、閉幕する。「世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州」をキャッチフレーズに山岳観光を前面に打ち出し、期間中の延べ宿泊者数を前年同期より10%以上増やす目標を掲げた。手応えを得た観光地がある一方、天候不順にも見舞われて効果の実感が乏しかった地域もある。

 「JR東海と協力できたことで、関西方面からや車を持たない若い世代の誘客につながった」。下伊那郡阿智村の第三セクター「阿智☆昼神観光局」営業担当の岡庭智之さんは、信州DCの手応えを話す。以前は高速道路やJR東日本の列車を利用する旅行者が多かったという。

 村内で星空を眺めるナイトツアーを初めてJR東海ツアーズを通じて販売。関東、関西の両方面から幅広く集客した。天竜川で川下り舟を運航する「天竜舟下り」(飯田市)によると、5〜8月の売上高は前年同期比15%増で、ナイトツアーなどと合わせた旅行者も目立った。

 日本旅行によると、長野市の戸隠エリアの予約実績は7〜8月が前年同期比87%増。戸隠観光協会(長野市)の極意(ごくい)憲雄会長は「山岳を前面に出した情報発信で登山者の客が増えた」とみる。

 ただ、目玉となるはずだった北アルプスの観光地は天候不順もあって伸び悩んだ。北ア上高地(松本市)にある上高地ルミエスタホテルの百瀬信総支配人は「DC効果は期待したほどではなかった」と話す。7月下旬から8月にかけて曇りが多く、9月の3連休は台風の影響を受けた。

 松本市によると、上高地への入り込みは7月が前年比2・7%減、8月は0・6%減となり、乗鞍高原もほぼ同様の傾向という。北安曇郡白馬村でも7〜8月の入り込みは4・9%減だった。

 昨年はNHK大河ドラマ「真田丸」効果で県内観光は盛り上がったが、舞台となった上田市では入り込み客数が4〜8月で約25%減った。国宝松本城(松本市)の入場者数も前年割れの傾向が2月から続き、管理事務所の担当者は真田丸の関連ツアーで入場者が昨年増えた反動と分析。「DC効果は逆風をはね返すほどではなかった」と話す。

 一方、南佐久郡佐久穂町・小海町境に位置し、コケを眺めながら原生林を散策できる白駒池一帯は、女優の吉永小百合さんが出演するJR東日本のテレビCMで舞台となった効果もあり、連日にぎわった。日本旅行によると、8月の立科エリアの予約実績は前年同月の10倍以上となった。

 白駒池近くの駐車場を委託管理する南佐久北部森林組合によると、8、9月の休日の午前中は普通車約150台を止められる駐車場は満車だった。同組合は「本年度がピークになることなく、今後も観光スポットとして多くの観光客に来てほしい」とする。

(9月30日)

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