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衆院選に問う 改憲論議 希望の党はどう臨む

 改憲問題の行方を左右する重大な選挙になりそうだ。

 民進党議員が合流する希望の党の小池百合子代表は改憲論議を避けない姿勢を示している。今後、自民と希望によって改憲への動きが一気に進む展開もあり得る。選挙戦の憲法論議から目が離せない。

 自民はいま5本柱の公約を準備中だ。憲法については安倍晋三首相が5月に打ち出した9条への自衛隊明記が軸になる見通しだ。

 ただ、前面には経済や福祉、教育分野を掲げ、憲法は控えめな扱いにする方向になっている。

 自民はこれまでも公約には暮らし密着の政策を掲げてきた。選挙が終わると首相がこだわる法案を国会に出し、与党の数の力で成立させるやり方を繰り返した。

 特定秘密保護法(2013年)、集団的自衛権行使を認める憲法解釈変更(14年)、対米軍事協力を広げる安保法制(15年)と、すべてこのパターンだった。

 首相は今度の選挙でも、与党で過半数を確保できれば「国民の信任が得られた」として、改憲手続きを前に進めようとするのは目に見えている。

 小池代表は先日の日本記者クラブでの会見で憲法について「議論を避けてはいけない」と述べた。民進を離党して希望に参加した細野豪志元環境相は別の会見で、地方自治、一院制など具体的な改憲項目を挙げている。

 中でも注目されるのは、野党の間で憲法違反との批判が強い安保法制への対応だ。民進は廃止の立場だった。細野氏は廃止論に否定的な考えを述べている。

 希望への合流を望む民進の立候補者について、小池代表はかねて選別する考えを示している。先日の会見では「安保法制に全く賛成しない人は(希望の党に)アプライ(申請)してこないのでは」と述べた。

 首相主導の改憲論議に乗っていくことに反対したり、安保法廃止を主張したりする議員は希望から排除される可能性が高い。

 大ざっぱに言って憲法を巡っては自民、公明の与党に共産、社民が対抗する形が見えている。希望がどう関わるか、まだはっきりしない面がある。

 希望は綱領では憲法に触れていない。憲法で曖昧な姿勢は政党に許されない。首相の改憲路線にどう向き合うか、国民に分かりやすく説明するよう求める。

(9月30日)

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