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松本市「中の湯観測井」不具合 県管理 火山ガス一時測れず

不具合が発生した「中の湯観測井」=松本市安曇不具合が発生した「中の湯観測井」=松本市安曇
 松本市安曇の火山ガス成分を観測する県管理施設「中の湯観測井」で今夏、ガス成分分析装置が一時停止したり、インターネットを経由したデータの閲覧が不可能になったりする不具合が生じていたことが3日、分かった。付近で1995年に発生し、4人が死亡した水蒸気爆発事故をきっかけに設けられた施設で、異常値を観測した場合、一帯を通行止めにするなど安全管理の判断にデータが使われている。県松本建設事務所は「今後、不具合が生じないようにしたい」(維持管理課)としている。

 同課によると、観測施設では水素、二酸化硫黄、硫化水素、二酸化炭素といった火山ガス成分を観測している。ガス成分分析装置が8月5〜10日に停止。観測データをネット上で閲覧するシステムも8月2〜10日と8月17日〜9月7日に閲覧できなかった。

 近くの北アルプス焼岳(長野・岐阜県境、標高2455メートル)で8月9日から10日にかけて小規模な噴気が確認された。この際、県がガスの測定状況をネット経由で確認しようとして不具合が判明。保守委託業者が、観測装置が停止していることを確認した。現時点で原因は分かっていないという。現在は正常に作動している。

 施設で異常値を観測した場合、県は有識者らでつくる技術検討委員会に必要に応じて意見を求め、「危険が予見されるケース」などに一帯を通行止めにするなどの対応を取る。観測データをネット上で閲覧するシステムは、技術検討委員も活用している。

 県の技術検討委員を務める東京工業大(東京)の野上健治教授は、「施設は道路管理上の目的で設置されているが、火山防災など別の機能で使える可能性もある」と指摘。「いざというときのために使えるようにしておいてほしい」としている。

(10月4日)

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