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飯田の銃撃事件で懲役30年 被告の殺意認定

 飯田市上殿岡の温泉施設玄関先で2015年10月、住所不定、無職の長谷川陽一さん=当時(43)=が射殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪で起訴された指定暴力団山口組系組幹部で職業不詳の有賀健一郎被告(50)=飯田市=の裁判員裁判判決公判は5日、地裁松本支部であった。野沢晃一裁判長は「危険かつ冷酷」とし、有期刑の上限の懲役30年(求刑無期懲役)の判決を言い渡した。弁護側は「事実認定に納得できない」として控訴する方針。

 野沢裁判長は「当初から殺意を持って被害者を追いかけ、頭部に向けて拳銃を発射したことを強く推測させる」と指摘。長谷川さんが被告の所属する暴力団から対立する別の暴力団に移籍しようとしていたことを知ると、周囲に危害を加えるような言葉を発しており、「事件前から射殺の意思があった」と認定した。

 弁護側は、長谷川さんが襲いかかってきたため、払いのけようとして誤って発砲した―とし、殺人罪と銃刀法違反罪(発射)について無罪を主張していた。同裁判長は捜査段階では意図的に発射したとの趣旨の供述をしており、「信用できない」と退けた。量刑理由では、銃器を使用した殺人事件としては「重い方に位置する」とする一方、組織的な犯行と比べると「無期懲役を選択することはためらわれる」とした。

 判決によると、被告は15年10月6日午後0時43分ごろ、温泉施設玄関先で長谷川さんに殺意を持って拳銃で弾丸1発を発射、左前頭部に命中させて死亡させた。被告は拳銃1丁と適合する実弾6発を持っていた。

 地裁松本支部の敷地内ではこの日、県警などの30人以上が警戒に当たった。近くの松本市開智小は下校時刻と開廷時間が重なり、同支部付近の通学路を通らないよう児童に呼び掛け、教職員7人が見守った。子どもを迎えにきた保護者もいた。

(10月6日)

長野県のニュース(10月6日)