長野県のニュース

見つめた「憲法9条」 長野高新聞部、生徒アンケート基に特集号

憲法9条について特集した「長高新聞」の編集を担った長野高校の生徒。衆院選で投票する生徒の参考になればと願う憲法9条について特集した「長高新聞」の編集を担った長野高校の生徒。衆院選で投票する生徒の参考になればと願う
 長野高校(長野市)の新聞部が、戦争放棄や戦力不保持を定めた憲法9条を特集した「長高新聞」を発行し、携わった生徒たちは間近に迫った衆院選(10日公示、22日投開票)で参考にしてほしいと期待を高めている。施行から70年がたったことや、安倍晋三首相が5月に9条への自衛隊の明記など憲法改正を実現する方針を表明したことを受け、生徒の意識を調べたアンケート結果などを掲載。発行直後に衆院が解散となり、生徒たちは巡り合わせに驚きつつも、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて高校生も1票を投じる衆院選で、判断材料の一つになることを願っている。

 5月に9条をテーマに設定して準備を重ね、9月に発行。特集はブランケット判で見開き2ページにわたり、アンケートの結果や分析記事、国会議員のインタビュー、論点紹介などを掲載した。アンケートの質問項目などは共同通信社が今春に全国で行った「憲法施行70年世論調査」を参考。7月に全日制の生徒約840人に配り、703人の有効回答を得た。

 アンケートの結果は、9条改正に「反対」が41%で、「どちらともいえない」(35%)と「賛成」(24%)を上回った。反対の理由(複数回答)は「改正すれば『軍備拡張』につながる恐れがあるから」が64%で最多。「9条によって平和が保たれてきたから」(51%)、「現憲法で不都合なことがないから」(19%)と続いた。

 賛成の理由(複数回答)は、「日本を取り巻く安全保障環境が変化しているから」が74%に上り、「現憲法では自衛隊が違憲だと解釈されるから」(28%)、「自衛隊が国際的により積極的に活動できるようにする必要があるから」(23%)などだった。

 賛成の人に9条をどのように改正すべきか尋ねると、「現在のような自衛隊の存在を明記する」(36%)、「自衛隊が国際活動をするにあたり、歯止め規定を設ける」(21%)、「自衛隊を軍として明記する」と「国際貢献の規定を設ける」がともに16%。

 長高新聞の分析記事は、改憲に賛成とした人の半数ほどは「現在の自衛隊の活動をより積極的なものとしないためにも、9条改正が必要だと考えている」と指摘。改憲に反対の人が、賛成の人と異なるのは「9条改正が自衛隊を変えてしまうと思っていることだ」とした。

 中心となって編集した豊原秀平さん(18)は「9条改正といえば自衛隊の権限拡大を進めるイメージで、その(是非を巡る)対立が生徒にもあるのかと思っていた」。アンケートで、改正の賛否を問わず、多くの生徒が現在の自衛隊の状況を維持したいと考えていることがうかがえ、「ちょっと意外だった」とする。

 大久保斗南さん(17)は、今回の新聞作りを通じて、改憲に対する自分の考え方も決まると考えていたが、さまざまな考え方に触れ、「本当に判断が難しい」。今も結論は出ていないが、「人任せはいけないと思うようになった」という。唐木渓さん(17)も「自分の意見を考えていかないと」とする。

 豊原さんは衆院選で初めての1票を投じる。取材を通じて「自分の意見が正解じゃなくても、完全にまとまっていなくても、投票には行かないといけないんじゃないか」と考えるようになった。「『正解』が見つけられなくても政治は進んでいく。だから自分もそこに関わらないといけない」

(10月8日)

長野県のニュース(10月8日)