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繰糸機が結んだ日仏の縁 仏の関係者、岡谷蚕糸博物館訪問

岡谷蚕糸博物館が展示しているフランス式繰糸機に触れるゴアさん岡谷蚕糸博物館が展示しているフランス式繰糸機に触れるゴアさん
 フランス東部のセルドン村にあった銅製品工場の関係者が9日、岡谷市の岡谷蚕糸博物館を訪れた。同工場が製造し、1872(明治5)年の富岡製糸場(世界文化遺産、群馬県富岡市)創業当初に導入された繰糸機を見学。関係者は「当時の工場の従業員が作った製品が、地球の反対側の日本で使われたことを思うと感動する」と話し、繰糸機を熱心に見入っていた。

 訪れたのは、1979(昭和54)年に閉鎖したセルドン銅工場を、博物館として2010年まで管理していたモーリス・ゴアさん(79)。父の代まで5代続けて同工場で勤務し、自身も13歳から15歳まで手伝ったことがあるという。

 岡谷蚕糸博物館の高林千幸(ちゆき)館長(66)が案内。腰ほどの高さの繰糸機を見たゴアさんは「ここは銅製、この部分は真ちゅうだ。鉄でできた脚の部分は下請けに出した」などと解説し、「日本がどこにあるか知らない人たちが作った製品がここに残っているのを知り、感激している」と話した。

 高林館長によると、富岡製糸場に導入されたフランス式繰糸機は300台。同製糸場の運営を1939年に引き継いだ片倉製糸紡績(現片倉工業)がそのうち2台を保存し、58年に岡谷市に寄贈、同博物館が展示している。館長は「繰糸機のルーツに触れることができ、感慨深い」と話していた。

 ゴアさんは、富岡市が8日に同市で開いた製糸関連のシンポジウムにパネリストとして出席。岡谷蚕糸博物館が銅製品工場の製品を所蔵していると知り、一目見ようと岡谷市を訪れた。

(10月11日)

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