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善光寺の落書き修復に時間 専門技術が必要

白く「×」と落書きされた世尊院釈迦堂のベンガラ塗りの柱。慎重な除去作業が必要になる白く「×」と落書きされた世尊院釈迦堂のベンガラ塗りの柱。慎重な除去作業が必要になる
 長野市の善光寺で国宝の本堂などに多数の落書きが見つかった事件で、本堂の他、国重要文化財の経蔵と山門、仁王門などの木造部分については修復までに相当の時間がかかる見通しであることが12日、善光寺事務局などへの取材で分かった。文化財を傷つけずに消すには専門技術が必要な上、文化庁との協議が必要になるためという。

 善光寺によると、落書きはすべて「×」印で、白い油性ペンが使われたとみられる。境内だけで100カ所以上に上った落書きは、石造り部分などは有機溶剤で消したが、木造部分は手付かずのまま。

 落書きされた箇所の一つ、世尊院釈迦堂では、金箔(きんぱく)を押したり赤い顔料のベンガラを塗ったりした柱が被害に遭っており、文化財の保存に詳しい県立歴史館(千曲市)の白沢勝彦・学芸員は「色が付いている柱では色落ちの恐れがあり、修復は簡単ではない」とする。

 善光寺は専門業者や文化庁と相談しながら修復する考えで、同庁は「以前の状態に戻せるよう慎重に対応する」。世尊院の清水光淳住職(65)は「早く元に戻したい。善光寺の対応を待ち、同じ方法で修復したい」と話している。

 12日は、善光寺の若麻績信昭・寺務総長が記者会見し、警備員の巡回を強化すると説明。一方で、「24時間開かれた善光寺―という姿勢は変わらない」とし、参拝制限はしない考えを示した。

 また、長野中央署は同日、釈迦堂への建造物損壊と器物損壊の疑いで逮捕した市内の無職の女(47)の身柄を長野地検に送った。捜査関係者によると、女は一帯の落書きへの関与もほのめかしており、落書きに使っていたのは、油性塗料のペンとスプレーだったという。

(10月13日)

長野県のニュース(10月13日)