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特殊詐欺「受け子」に無罪 地裁伊那支部判決

 特殊詐欺グループで金を受け取る「受け子」を務め、上伊那郡中川村の70代女性から現金をだまし取ろうとしたとして詐欺未遂の罪に問われた住所不定無職の被告男性(26)の判決公判が12日、地裁伊那支部で開かれ、酒井智之裁判官は「詐欺について故意が認められない」とし無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。

 判決によると今年1月、女性に、おいをかたる人物から「100万円だけでも借りられる?」などと電話があった。通報を受けた駒ケ根署などは「だまされたふり」作戦を実行。女性宅横の空き地に現れた男性を現行犯逮捕した。

 男性に仕事を紹介したグループのメンバーは「書類を取りに行ってほしい」と頼み、被害女性には「金を取りに行く人は中身が金と知らない。中身が書類の体で渡してほしい」などと電話していた。

 酒井裁判官は、男性が受け取りの際、書類を要求したことなどを踏まえ「現金を受け取ると認識しておらず、犯罪に加担した認識をしていたとまでは言えない」とした。

 被告側の元島亮典弁護士(飯田市)は取材に、「裁判官には正しい判断をしていただいた」と述べた。

 甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は、県外から出向いて高齢者から書類を受け取る仕事は通常考えにくいと指摘。被告は受け取った後に逃げていることなどから「だましているという認識があったことは明らかで不自然な事実認定だ」とした。

 判決について県警捜査2課は「コメントすることはない」。長野地検は「判決を検討し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とした。

(10月13日)

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