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木島平村教育長罷免 「厳しい指導」内容明かさず

罷免人事案の採決で投票に臨む村議ら=12日午前9時すぎ、木島平村罷免人事案の採決で投票に臨む村議ら=12日午前9時すぎ、木島平村
 下高井郡木島平村教育委員会の男性職員の自殺を巡り、12日、内堀幸夫・村教育長が罷免されるに至った。異例の重い判断といえるが、罷免の人事案を村議会に提出した日台正博村長は、内堀氏がこの職員に行ったという「厳しい指導」の中身を語らず、罷免に同意した村議会も審議経過を明らかにしないまま。職場のどこにどんな課題があったのか、このままでは再発防止に向けた議論を深めることにはつながりそうにない。

 罷免を決めた12日の村議会臨時会の後、村役場で記者会見した日台村長は、職員などへの聞き取り調査の結果、「家庭や交友関係には自殺のきっかけは見いだせない」と説明し、職場に問題があったとの認識を示した。

 だが一方で、詳細については説明を回避。内堀氏の証言として「特別に(自殺した)本人にだけ厳しく指導はしていない」とし、罷免の理由を問われると「結果的に職員が自ら死を選ぶことになった」「結果的に命を失うことになった重みへの判断」と強調した。途中、何度か打ち切ろうとした約20分間の会見はちぐはぐな印象だけが残った。

 村議会も同様だ。この日は、内堀氏らの説明を聞いた調査特別委の委員長報告も質疑・討論もなく、無記名投票で採決。閉会後、議会は記者会見を行わず、報道陣の囲み取材にも、萩原由一委員長は特別委が非公開だったことを理由に「コメントは差し控える」の一点張りだった。

 取材では、亡くなった職員が提出した決裁書類などの遅れや不備を内堀氏が細かく指摘し、何度も出し直させることもあったという。ただ、職場でのそうしたやり取りが最悪の結果に影響したのか、指導を巡る二人の関係の他に留意すべき課題があったのか、現状では何も見えてこない。

 県内の公務災害の裁判に関わってきた松村文夫弁護士(岡谷市)は「教育長の罷免という処分は非常に重い。遺族のプライバシーに配慮しつつ、できるだけ具体的な内容を明らかにすべきだ」と指摘する。公務に関わる人一人が自ら命を絶った重い事実を共有し、広く社会の教訓にするためにも「行政側は情報開示に努力すべきだ」としている。

(10月13日)

長野県のニュース(10月13日)