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県内経済界厳しい目 衆院選与党勝利

 衆院選での与党の大勝を受け、県内企業のトップからは23日、安倍政権による経済政策の継続に期待する前向きな受け止めが聞かれた。一方、地方の中小企業振興策や農業活性化への目配りに物足りなさを感じている経営者も少なくない。安定した政権基盤を生かし、財政再建や持続的な社会保障制度構築の道筋は描けるか―。経済界は厳しい目を注いでいる。

 エムケー精工(千曲市)の丸山将一社長は「政策がぶれると経営はやりにくい。政権安定化の見通しが立ったことは安心感がある」と衆院選の結果を評価。その上で「財政再建や持続可能な社会保障には、強い政権でなければ切り込めない」と長期的な視点に立った政権運営を求める。

 セイコーエプソン(諏訪市)の碓井稔社長も「社会保障や消費税増税問題、国際秩序、エネルギー問題など、国内外に喫緊の諸問題が山積している」と指摘。「中長期的な成長につながる経済、政治の諸政策を、責任とスピードと透明性を持って進めてほしい」とコメントした。

 中小製造業は受注が増えている企業も目立つが、収益の改善ペースには格差もある。金型製造の旭(諏訪市)の増沢久臣社長は「大企業ばかりを優遇せず、ものづくりを支える中小零細企業こそ大切にして」。油揚げ大手のみすずコーポレーション(長野市)の塚田裕一社長も「中小企業を活性化させる生産性向上への支援を」と要望する。

 飲食店チェーンの王滝(松本市)の永瀬完治社長は、2019年秋の消費税率10%への引き上げが消費に与える影響を懸念し、「世界情勢を含めタイミングを見極めてほしい」と注文。住宅建築の小林創建(同)の小林稔政社長は東京への一極集中が止まらない中、「若年人口の流出が進めば地方の負担が一層増す」とてこ入れ策を期待した。

 ホテル経営の東洋観光事業(茅野市)の小林史成社長が当選者に求めるのは「地元を最優先した経済支援策」。外国人旅行者が増加している追い風があるだけに、「高速道路のアクセス向上や松本空港への国際線の就航を国に働き掛けてほしい」と訴える。

 北安曇郡白馬村でコメなどを栽培する武田昭彦・県農業経営者協会長は、政権が進める農業・農協改革について、「輸出重視や大規模化・効率化に偏っている」と批判。「県内は多くの中山間地を抱え、小規模経営体も多い。多様な経営体が腰を据えて農業ができるような支援策を期待したい」と話した。

 長野信用金庫(長野市)の市川公一理事長も「経済政策をきちんと安定的に続けてもらい、景気が悪くない状態が続くのは良いことだ」と政権の継続を好感。ただ「日銀のマイナス金利政策は金融機関の体力を奪っている」として出口戦略の議論を求めた。

(10月24日)

長野県のニュース(10月24日)