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公文書管理法 改正強化へ速やかに

 衆院選後の最優先課題の一つは公文書管理法の見直しだ。臨時国会を早期に開いて、行政文書が勝手に廃棄されることがないよう改正強化すべきだ。

 今度の選挙の出発点には公文書管理の問題があった。

 安倍晋三首相や昭恵夫人が関係する学校法人に対し、国の行政機関が便宜を図ったのではないかとの疑惑が浮上。内部告発で明るみに出た文書を菅義偉官房長官は「怪文書」扱いした。国有地売却の関係書類を国会に提出するよう求められると、財務省は「廃棄した」との説明で押し通した。

 国民への説明を拒むこうした姿勢に批判が高まり、支持率が急落。局面を打開するため首相が衆院を解散した面がある。

 選挙では与野党が公文書に関わる公約を掲げた。自民は「行政文書の適正な管理」、公明は「適切な情報公開体制の整備」などを盛り込んだ。

 野党側では立憲民主が「情報公開法改正による行政の透明化」、希望は「『隠蔽(いんぺい)ゼロ』の断行」、共産は「公文書管理と情報公開の在り方を根本から改める」などを掲げて選挙を戦った。

 国政選挙で公文書管理が争点になるのは珍しいことである。

 安倍首相は通常国会を閉じるとき、森友・加計問題について閉会後も「丁寧な説明」をすると約束していた。衆院を解散したときは「国民に説明しながら選挙を行う」とも述べていた。実際には選挙戦で首相がこの問題に触れることはほとんどなかった。

 今後、公文書法の改正強化を先送りするようでは、「森友・加計問題を隠すための選挙」との見方がさらに強まるだろう。

 問題が表面化してからの政府の対応は、情報開示に後ろ向きになったようにさえ見える。

 9月に示したガイドラインでは複数官庁や外部との協議を記録に残す場合「可能な限り相手方の発言部分についても相手方による確認などにより正確性確保を期す」と定めている。これでは官庁にとって都合の悪いやりとりはなかったことにされかねない。

 公文書法見直しでは最低限、次の二つを盛り込むべきだ。▽1年未満で廃棄できる規定は廃止する▽文書管理に目を光らせる第三者機関を設置する。

 自民が「行政文書の適正管理」を言うのなら、首相指名の特別国会に続いて臨時国会を召集し公文書法を改正すべきだ。森友・加計問題の解明のために、昭恵夫人らの証人喚問も欠かせない。

(10月26日)

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