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みとった家族もケア 飯田市南信濃の特養が「しのぶ会」

しのぶ会に向けて打ち合わせをする遠山荘の職員しのぶ会に向けて打ち合わせをする遠山荘の職員
 入所するお年寄りの最期を家族らと共にみとる取り組みを続けている飯田市南信濃の特別養護老人ホーム遠山荘が、遺族のケアに力を入れている。28日には、この1年間に亡くなった利用者を遺族や一緒に暮らした別の利用者たちとしのぶ会を計画。遠山荘の所長山崎元宏さん(52)は「利用者の最期を見届ける施設として、その後もご遺族に寄り添っていける施設のあり方を模索したい」と話している。

 県医療推進課によると、2016年に県内の介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどの福祉施設で亡くなった人の数は3487人に上り、県内で死亡した人の約14%を占めた。高齢者福祉施設で亡くなる人の数は、増える傾向にあるという。

 遠山荘は市社会福祉協議会が運営し、約50人が入所している。14年度、入所する人の家族に口頭で説明していた施設の「みとりケア」についてパンフレットにまとめた。特定の病気がなく自然に死亡する自然死(老衰死)や、延命治療の方法やリスクなどを解説している。

 山崎さんによると、入所する際にみとりについて説明をすると、驚いたり涙を流したりする家族もいるという。「利用者本人に最期まで望む生き方を全うしてもらうには、家族の協力が欠かせない」と話す。パンフは、治療の選択や最期のみとり方を家族に考えてもらう狙いだ。利用者の死後は、職員や遺族を交えた会合を開き、みとりの過程を振り返ることで遺族の思いを聞き取っている。

 しのぶ会は、家族や他の利用者が、亡くなった人との別れを受け止める機会をつくろうと09年に開始。亡くなった人に宛てた手紙を遺族に書いてもらい、生前の写真などで編集した映像の上映を毎年続けている。

 昨年からは、利用者のみとりに関わった施設職員が、一周忌を迎えた遺族宛てに手紙を送るという取り組みを始めた。山崎さんは「地域の施設だから実現できる最期の迎え方や遺族のケアがある」とし、「家族ができる限りを尽くしたと思えるみとりをかなえていきたい」と話している。

(10月27日)

長野県のニュース(10月27日)