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選手の人生を左右するかもしれない。そう思えば、くじを引く手も震えよう。プロ野球のドラフト会議だ。極度の緊張が大きな勘違いを生むこともある。2年前、明大の外野手の交渉権をめぐって阪神とヤクルトが競合し抽選になった

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当たりは「交渉権確定」の印がある。ヤクルト監督だった真中満さんは別のマークを当たりと思い込んでガッツポーズ。気落ちした阪神・金本知憲(ともあき)監督はくじを見ずに席に戻った。事務局が気づき訂正したのは真中さんがテレビに喜びを語った後だった

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試合で修羅場をくぐっている監督も、抽選の重圧は特別らしい。神社に祈願したりネクタイ選びで験を担いだり。意中の高校生投手の抽選で学校のマウンドの土をポケットに入れて臨んだのは2013年の日本ハム栗山英樹監督だ。だがこの投手を含めて3度の抽選を全て外した

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同じ年のドラフトで大学随一の右腕、大瀬良大地投手を3球団が1位指名した。広島は長く成長を見守ってきた担当スカウトが見事に当たりくじを引いた。くじは球団首脳や監督が引くのが慣例。大役を果たしたスカウトの感極まった表情が印象に残る

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昨日のドラフト会議で選手たちはプロ人生の入り口に立った。くじ運ばかりの世界ではない。広島の大瀬良投手は新人王を獲得したが負傷し壁に突き当たった。今季は復調しリーグ優勝の原動力になった。努力を重ねたのだろう。栗山監督が昨年日本一に輝いたことも付け加えておきたい。

(10月27日)

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