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女性議員 増やす仕組み具体化を

 「男性社会」の政治の現状が変わる兆しはこの衆院選でも見えてこなかった。立候補者の一定割合を女性に割り当てるクオータ制をはじめ、女性議員を増やす仕組みの具体化に与野党は本腰を入れて取り組むべきだ。

 今衆院選の女性当選者は47人。前回より2人増えはしたものの、全体に占める割合は1割をわずかに超えたにすぎない。国際的にも依然最も低い水準にある。

 立候補者に占める割合は17・7%と過去最高だったが、それでも2割を切っている。とりわけ与党の割合の低さが目につく。自民党は7・5%にとどまった。

 女性の政界進出を促す立法は超党派の議員連盟で何年も前から議論されてきた。今年ようやく与野党が折り合い、議員立法で成立が見込めるところまでこぎ着けた。候補者をできる限り男女均等にするよう政党に求める内容だ。

 ところが、森友、加計学園問題などのあおりで法案審議に入れないまま通常国会は閉幕。衆院解散で廃案になった。仕切り直しを余儀なくされはしたが、積み重ねた議論を踏まえ、立法を前に進めなくてはならない。

 衆院選では各党が前向きな姿勢を打ち出した。自民党は女性参画を推進する法律の早期成立を目指すと公約に明記。野党第1党となった立憲民主党はクオータ制の実現を掲げた。

 クオータ制は既に120カ国以上で導入され、成果を上げている。フランスは候補者を男女同数にする「パリテ法」が2000年に成立。地方選で男女一組での立候補を義務づける試みも取り入れた。ドイツや英国では政党の自発的な動きとして広がったという。

 20年までに指導的地位の女性割合を30%にする―。安倍政権が掲げる目標は、政治分野ではもはや実現が見通せない。政府、与党はクオータ制の導入に背を向けるべきではない。公職選挙法の改正を含め、実効ある仕組みをどう整えるか検討する必要がある。

 女性が政治の場へ出るのを阻む壁は多い。男女の役割分業の意識は根強く、家事や育児の負担は女性に偏っている。議員が産休や育休を取るのをとがめ立てるような空気もある。女性国会議員が4割を超すスウェーデンでは、長く議会を欠席するとき、代理を出す制度を導入しているという。

 女性の視点を取り入れることは政治のあり方を変えることにもつながる。理念として女性の参画を掲げるだけでなく、壁を取り払う具体的な手だてが欠かせない。

(10月27日)

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