長野県のニュース

千曲川水系でアユ不漁 やな漁や友釣り、不振続く

やな場に打ち上がったコクチバスを網ですくう石井さん。アユ不漁のまま今季も終わった=上田市やな場に打ち上がったコクチバスを網ですくう石井さん。アユ不漁のまま今季も終わった=上田市
 千曲川水系でアユ漁の不振が続いている。今秋の「やな漁」は、漁獲量が十数年前の実に60分の1。夏の風物詩「友釣り」も不漁に伴って遊漁券販売が3分の1に減り、今季も振るわなかった。地元漁協の収入減による翌年の稚アユの放流量減という悪循環もあるが、そもそもの不漁の原因ははっきりしておらず、関係者は頭を痛めている。

 産卵のため川を下る「落ちアユ」を、木材や竹をすのこ状に組んだ大掛かりな仕掛けで捕獲する「やな漁」。漁獲量は台風など気象条件によっても大きく左右されるが、「確実に捕れなくなってきている。何とか伝統を守りたいが…」。約30年にわたり、上田市の千曲川で漁を続ける石井孝二さん(57)は嘆く。

 仕掛けを設ける「やな場」は2004年まで上小漁業協同組合(上田市)管内に4カ所あり、同年は約1900キロの漁獲があった。それが今季は約30キロ。15年に台風の影響でやな場が全壊した市内の中山泉さん(74)は「不漁続きで修理費も出ない」と昨季、約30年続けたやな漁をやめた。やな場は2カ所になった。

 縄張りに侵入した他のアユを追い払う習性を利用した「友釣り」も厳しい。

 同水系で稚アユの放流量が最も多い上小漁協管内では、ここ十数年釣果が上がらなくなり、釣り客が減少。07年に約8500枚売れた遊漁券(年券と日釣り券)は今季、2748枚。千曲川で約40年友釣りをしているという市内の山崎孝志さん(63)は「年々釣れなくなっている。特に今年は最悪だった」と話す。

 今夏、市内で開かれた友釣りの全国大会予選では、県内外から参加した75人のうち、制限時間3時間以内に釣り上げられたのは25人。主催した釣り具大手「シマノ」(堺市)の佐藤孝視・埼玉営業所副所長(58)は「釣れない上に型も小さくなっている印象。来年以降、大会を開くかどうかは検討中」としている。

(10月29日)

長野県のニュース(10月29日)