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演じて学ぶ、満蒙開拓 阿智で4日「村民劇」

役者と動きや立ち位置を確認する二川さん(右から3人目)。架空の移民PRゆるキャラも登場する役者と動きや立ち位置を確認する二川さん(右から3人目)。架空の移民PRゆるキャラも登場する
 満蒙(まんもう)開拓をテーマに、長野県下伊那郡阿智村の住民らがつくる「村民劇プロジェクト」の本公演が11月4日、村中央公民館で開かれる。演劇を通して満蒙開拓の歴史を学ぼうと、1年前から約20人が稽古やプレ公演を重ねてきた。12月以降は村外公演も予定。多くの人に関心を持ってほしいと住民たちは願っている。

 プロジェクトは村地域おこし協力隊員で役者の二川舞香さん(35)と村公民館が企画。住民らは満蒙開拓の歴史を関係者の話や史料などで学び、今年3月のプレ公演で「たんぽぽの花」「三つの責任」を上演。今回は新作の「枝豆とハンコ」も披露する。

 「黄金の枝豆」を栽培するため、村役場が他の惑星への移民送出を国に求められた―というSF仕立ての物語で、脚本は村職員の大石真紀子さん(34)が執筆。架空の「星岳(ほしだけ)村」の村長や村職員が何に悩み、どう行動していくかを描いた。国が補助金とセットで移民送出を推進した満蒙開拓の時代と重ね合わせた。

 大石さんは、戦中の村などの広報をひもとき、役場が国策推進に協力していく様を読み取ったという。職員一人一人は「誠実に仕事をこなしたはず。でもそれが、結果的にせよ悲劇につながった」と大石さん。もし自分がその立場だったら…と自問してきた。

 出演者も自分に引き付けて考え、稽古を重ねている。NPO職員の小林千珠嘉(ちずか)さん(26)は、周囲が止めるのを押し切って移民反対デモに参加する役場職員を演じる。「正しいと思ったことを真っすぐに行動に移せるかどうか。実際は難しいと思う」と話す。

 12月10日に長野市、来年1月14日には岡谷市でも公演を計画しており、二川さんは「なぜ多くの村人が国策の満蒙開拓に向かっていったのか。平和の尊さとともに考えるきっかけを発信していきたい」と意気込みを語っている。

 本公演は、午後1時半から。無料。

(10月31日)

長野県のニュース(10月31日)