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ロシアゲート 事の異常さが明るみに

 ロシア政府による米大統領選干渉疑惑「ロシアゲート」で、トランプ陣営の選挙対策本部長だったマナフォート氏らが起訴された。

 罪状はマネーロンダリング(資金洗浄)、脱税などで疑惑に直接関わる内容ではない。だが、親ロシア派のウクライナ政府の代理人として活動した報酬が絡んでいる。

 モラー特別検察官は、トランプ陣営の外交顧問を務め、選挙期間中にロシア政府高官との接触を図った人物も訴追した。

 選対幹部やホワイトハウスの高官に就いた側近たちが、それぞれロシア側と接点を持っていただけでも異常である。ロシア政府とトランプ陣営が「共謀した」との疑いは深まるばかりだ。

 一連の捜査で事実関係を明るみに出し、米国の政治を一日も早く常道に戻す必要がある。

 昨年の米大統領選で、民主党の候補クリントン氏の陣営がサイバー攻撃を受け、大量のメールが流出した。米情報当局は、トランプ氏の勝利を狙いロシア政府が関与した、と断定している。

 焦点の一つは、トランプ陣営がロシア側と共謀し、大統領自身も関わったか。もう一つは、トランプ氏が大統領就任後に疑惑の捜査を妨害したか、だ。

 これまでに、長男と、娘婿で大統領上級顧問のクシュナー氏が、ロシア政府と関係の深いロシア人弁護士と会い、クリントン氏に不利な情報の提供を求めたことが分かっている。マナフォート氏も同席していた。

 トランプ大統領は5月、疑惑を捜査していた連邦捜査局(FBI)の長官を突然解任した。捜査に圧力をかけたのなら司法妨害になり、弾劾される可能性もある。

 大統領は疑惑を否定しているものの、今回の起訴を皮切りに関係者が芋づる式に立件される、との見方もある。

 ロシアのプーチン大統領も関与を認めていない。

 最近になって、ロシアに拠点を置く企業が会員制交流サイト(SNS)を使い、米社会の分断をあおる広告を掲載し、偽ニュースを流していたことが判明した。

 もはや、両大統領が関与したかどうかだけの問題ではない。あからさまで大掛かりな内政干渉と、外国の情報に頼る選挙陣営…。こんなことがまかり通れば、民意がねじ曲げられてしまう。

 二度と繰り返さないためにも、疑惑の全容解明を求めたい。SNSが悪用されている。どの国にとっても対岸の火事ではない。

(11月1日)

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