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ウズラを通して命の大切さ学ぶ 飯田・和田小2年生

「和田ぴよちゃんは天国で元気に遊んでいるかな?」。自分たちで作った墓の前で手を合わせる5人「和田ぴよちゃんは天国で元気に遊んでいるかな?」。自分たちで作った墓の前で手を合わせる5人
 飯田市南信濃の和田小学校2年生5人が、校内で独自に飼育しているウズラを通して命の大切さを学んでいる。「かわいいから」「卵が食べたいから」と飼育を始めた子どもたちだが、その後、ウズラの生死に接するなどして、喜んだり悲しんだり…。そのたびごとに一歩ずつ成長している。

 もともと校内で飼育していたウズラのうち2羽を分けてもらい、昨冬から当時の1学年だけで飼い始めた。小屋を作り、餌代を稼ぐため、学校近くの山で採ったつるでリースを作って売った。遠山由唯奈(ゆいな)さん(7)は、小屋に近づくと寄ってくる2羽が「かわいくて仕方なかった」。

 今年4月、ウズラが卵を毎日産むようになった。子どもたちは大喜びしたが、初期に産む卵は皮が薄くふ化させるのは難しいと聞き、「(ふ化は)夏まで待とう」と、目玉焼きなどにして食べた。

 5月の大型連休明け。餌やり当番だった鳴沢元気君(7)と仲井夢輝(むつき)君(8)が小屋をのぞくと、ウズラの羽だけが散らばっていた。小屋の金網がめくれている。2羽ともハクビシンに襲われたようだった。「逃げていたらいいのに」とつぶやいた酒井航(わたる)君(7)をはじめ、皆が声を上げて泣いた。

 ただ、希望が残っていた。担任の中沢清子教諭の手元に1個の卵があった。伊那市の西春近南小学校4年生に和田小から他の卵とともに貸していたふ卵器に、和田小の卵も加えてもらうことにした。

 他の卵がかえる中、和田小の卵はぴくりともしない。諦めかけていた頃、和田小の卵からひながかえった。西春近南小の子どもたちも、連絡を受けた和田小の子どもたちも喜びを爆発させた。

 西春近南小の子どもたちはひなを「和田ぴよちゃん」と名付けて大切に育てたが、4日目、眠るように死んだ。和田小に戻った和田ぴよちゃんは冷たかったが、小沢紫月(しづき)さん(7)は「それでもかわいかった」。子どもたちは小屋の裏に和田ぴよちゃんの墓を作り、手を合わせた。

 ウズラの小屋では今、新たな2羽を飼育している。子どもたちは餌やり当番を忘れることもなく、生き物を大切にする心や責任感が生まれているという。

 ウズラがつなげてくれた両校の子どもたちは2日、和田小で会い、交流を深める。

(11月1日)

長野県のニュース(11月1日)