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日本旅行、飯山に観光農園 訪日客「コト消費」に対応

英語が話せるガイド(左)からリンゴの収穫方法の説明を受けるタイからの訪日客=飯山市英語が話せるガイド(左)からリンゴの収穫方法の説明を受けるタイからの訪日客=飯山市
 日本旅行(東京)は今秋、飯山市内のリンゴ農園と連携し、訪日外国人向けの観光農園を開設した。近年急増する訪日客の間で体験を通じて日本の文化や自然を楽しむ「コト消費」の傾向が強まっていることに対応。同社が企画するツアーの目玉として収穫体験を組み込み、集客力の向上につなげる。訪日客を主な対象にした観光農園の開設は旅行業界で初めてという。

 飯山駅から北西に500メートルほどの場所にある観光果樹園「塩崎農園」が栽培するリンゴを、収穫する権利を取得した。塩崎農園の販売所の一部を間借りし、収穫体験の受付や果実の販売を行う。日本人客は塩崎農園で、訪日客は同社の農園でそれぞれ対応。英語が話せるガイドが常駐し、果実のもぎ方や品種の特長などを説明している。

 日本旅行はこれまでも、観光果樹園に訪日客を紹介する「送客」を行ってきたが、現地での対応は果樹園に任せていた。観光農園の企画・運営・広告宣伝を自社で手掛けることにより、訪日客のニーズに即した旅行会社ならではのサービスを提供する。

 塩崎農園の塩崎誠代表(53)によると、北陸新幹線(長野経由)飯山駅が開業した約2年半前から訪日客が増加。ジェスチャーや携帯電話の翻訳機能を使って対応してきたが、来園が増えるにつれて栽培管理との両立が難しくなっていた。「飯山のリンゴをより多くの人に食べてもらうチャンス」と考え、日本旅行の提案を受け入れた。

 観光農園では、公衆無線LANサービス「Wi―Fi(ワイファイ)」を整備。英語表記ののぼりや看板を設置し、写真撮影用のリンゴのかぶり物やパネルも用意した。購入商品の空港への配送手配も行う。リンゴの食べ放題と土産のリンゴ3個が付いて、体験料金は1500円。日本旅行は「発信したくなる体験でリピーターの獲得やSNS(会員制交流サイト)での口コミの広がりにつなげたい」(同社新規事業室)とする。

 同社は飯山市の観光農園をモデルに、県内外の果樹園で同様の取り組みを広めていく計画。砂子隆志・新規事業室長は「来園を通じて地域農産物の品質の高さを知ってもらい、ブランド化と消費拡大につなげて地域活性化にも貢献したい」としている。

(11月2日)

長野県のニュース(11月2日)