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新内閣発足 首相の姿勢が問われる

 安倍晋三首相が第4次内閣を発足させた。

 衆院選で圧勝し、1強の政治状況が続いている。異論に耳を傾け謙虚に政権を運営していく考えはあるか、首相の姿勢が問われる。

 午前の閣議で総辞職した改造内閣の顔触れが、そっくりそのまま再任されている。首相は8月上旬に「仕事人内閣」をスタートさせながら、2カ月もたたないうちに衆院を解散した。先の衆院選の異例さを改めて浮かび上がらせる新内閣発足である。

 自民党の役員も続投させる。首相は党両院議員総会で「重い責任と歴史的使命を胸に刻み、結果を出していこう。子どもたちと日本の未来を切り開くため、一丸となろう」と呼び掛けた。数任せの強引な政治が繰り返されないか、気掛かりだ。

 特別国会は会期を12月9日までの39日間と与野党が決定した。与党は当初、8日間を提案したものの、野党の主張に応じた。首相の所信表明演説や各党の代表質問などを行う。臨時国会は冒頭解散された。年内に実質的な国会審議をするのは当然である。

 議論すべき問題、課題は多い。

 野党は森友、加計学園問題を引き続き追及する構えだ。世論調査では政府の説明に納得できないとする人が多数を占める。国有地売却や獣医学部新設計画はどのように進んだのか、経緯をはっきりさせなくてはならない。

 通常国会閉会後、首相は記者会見で「反省」を口にしていた。衆院選後も、国民から「厳しい目が向けられている」との認識を示した。政府が従来の説明を繰り返すのでは、らちが明かない。決定に至ったプロセスが分かる資料を示すべきである。

 首相が解散の理由に挙げた「国難」も外せない。少子高齢化や北朝鮮への対応は国会で議論すべき課題である。それなのに、いきなり衆院選に打って出た。考えを詳しく説明する必要がある。

 教育無償化などの「人づくり革命」は通常国会後、新たに掲げた看板政策で中身は曖昧だ。2年後の消費税率引き上げの際に増収分の使い道を変えることも唐突に表明した。財政再建の旗は降ろさないとするものの、本当に実現できるのか疑問が大きい。

 北朝鮮の核・ミサイル開発については、圧力をかけ続けることで政策を変えさせるとする。果たして圧力一辺倒で事態を打開できるのか。かえって緊張を高める恐れもある。対話につなげる道筋を国民に示さなくてはならない。

(11月2日)

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