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北安地事所に多数の印鑑 間伐の同意書無断作成問題

北安曇地方事務所で見つかった多数の印鑑について内部告発した文書の写し。一部が森林所有者の同意書作成に使われたことを指摘している。県は氏名などを黒塗りして情報公開した北安曇地方事務所で見つかった多数の印鑑について内部告発した文書の写し。一部が森林所有者の同意書作成に使われたことを指摘している。県は氏名などを黒塗りして情報公開した
 間伐予定地域の森林所有者の同意を取りまとめた団体に森林づくり県民税から交付金が支給される事業に絡み、県北安曇地方事務所(大町市、現北アルプス地域振興局)林務課職員が森林所有者の同意書を本人に無断で作成していた問題で、同意書の作成に使われたものを含む多数の印鑑が同地事所に保管されていたことが1日、分かった。同意書作成などのために集められたとみられ、他の事業でも使われていた可能性がある。一連の問題を指摘した昨年1月の内部告発で発覚したが、県は事実関係を公表していない。

 信濃毎日新聞が情報公開請求で入手した内部告発文書などによると、同地事所林務課に保管されていた印鑑は少なくとも66個で一つのケースに収められていた。2010年度の大町市の団体への交付金支給で、同課職員が自分で作成した10通余の同意書のうち10通の印影と同課保管の印鑑の印影が一致した。10通のうち2人は名字が一緒で、同じ印影の印鑑が押されていた。県林務部の調査に、職員は保管していた印鑑を使って無断で同意書を作成していたことを認めたという。

 印鑑は10年度以前から保管されていたが、いつ誰が集めたかはっきりしていない。同部の調査に同地事所林務課職員の一人は、「森林所有者の同意書を作るために複数の団体から依頼されて林務課内で預かり、不足分は買い足したものもあった」と説明したという。

 これに対し、大町市の団体の会長は取材に、「森林所有者の印鑑を預かってほしいと県の職員に依頼したことはない」と反論している。

 多数の印鑑が見つかったことで、森林所有者に無断での同意書作成が他の事業でも行われていた可能性があるが、同部は「書類が残されていないので、他の団体の同意書で使われていたかどうかは確認できない」(信州の木活用課)としている。北アルプス地域振興局林務課は「誰の印鑑か特定するのは難しく、印鑑がどのように管理され、使われていたかまでは確認できていない」としている。

(11月2日)

長野県のニュース(11月2日)