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予算消化の闇繰り越し 「全地事所で」と県職員

県林務部の係長が「闇繰り越し」について発言したことを示す文書の写し。県は内容を黒塗りして情報公開した県林務部の係長が「闇繰り越し」について発言したことを示す文書の写し。県は内容を黒塗りして情報公開した
 県の本庁林務部に所属する補助金の担当係長が2014年12月、年度内に完了していない事業に補助金を交付する「闇繰り越し」と呼ばれる違法な会計処理が各地の地方事務所(現地域振興局)で横行していたとする内容の発言を内部の会議でしていたことが3日、分かった。信濃毎日新聞が発言を収めた録音データを入手した。

 大北森林組合(大町市)の補助金不正受給事件で組合前専務理事らを有罪とした3月の長野地裁判決は、北安曇地事所(大町市、現北アルプス地域振興局)が林務部から、闇繰り越しを使ってでも予算を消化するよう迫られていたと認定。工事完了のチェックがずさんとなり、架空工事などの不正のきっかけを与えたと指摘していた。録音データにより、不正の温床となる闇繰り越しが北安曇以外の地事所でも行われていた可能性が改めて浮上した。

 発言をしたのは14年当時、林務部森林づくり推進課係長だった男性職員。各地事所に割り当てた間伐事業などの補助金の執行状況などを管理する立場だった。約2時間に及ぶ録音データなどによると、14年12月12日、大北森林組合補助金不正受給事件の聞き取り調査のため、北安曇地事所近くの施設で開かれた会議に出席した。

 係長は席上、多くの地事所が年度内に執行可能な量を上回る事業を引き受けてきたとし、「闇繰り越しというのはずっと全地方事務所にまん延していた」「終わった形にして(工事を)やっているというのが平常化していた」などと発言。北安曇以外の地事所について「闇は闇だけど、(事業を)終わりにさせていた」との発言もあった。

 「森林税(森林づくり県民税)が始まって以来のものを見ると、体力以上の無理をしている時代がある」とし、事業量増加の背景に森林税導入があったことも示唆していた。

 会議に出席していた別の職員が発言の様子を録音していた。信濃毎日新聞は、発言の内容を示す文書を県に情報公開請求したが、「個人に関する情報」などとして内容のほとんどが黒塗りされていた。

 林務部は発言について聞き取りを実施したが、本人は闇繰り越しに関する発言を否定。同席した本庁林務部職員も「聞いていない」と話したという。同部は取材に、「(職員の発言の)録音記録は県にはなく、確認しようがない」とし、闇繰り越しが北安曇以外の地事所で行われていた可能性について調べる考えを示していない。

(11月4日)

長野県のニュース(11月4日)