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昆虫ナナフシモドキ 安曇野や長野で大量発生

 これまで県内での確認は珍しかった昆虫のナナフシモドキが今年夏、安曇野市や長野市で大量に発生していたことが4日、分かった。ケヤキなどの樹木や大豆などの農作物に群がり、葉を食べ尽くす様子が確認された。3年ほど前から県内で増え始めたとの情報があり、暖冬傾向が影響しているとの指摘がある。同規模の大量発生の報告は国内ではなく、農作物などへの影響は現時点で未知数。信州大学術研究院理学系の東城幸治教授(46)=進化生物学=の研究室が調査を続けている。

 「壁など、あらゆるところに付いていた。取ったらバケツ1杯にもなった。こんなことは初めて」。安曇野市内で飲食店を営む男性(73)は話す。東城教授が8月上旬、発生状況を現地調査した場所だ。

 東城教授によると、ナナフシモドキは東アジアの固有種で暖かい地方に多く、長野県内は本来、生息自体が珍しい。だが、同市の住民への聞き取り調査によると、3年ほど前から出現するようになったといい、今年7月末から8月に大発生を確認した。

 長野市でも8月上旬、山あいの畑の大豆に群がっているのを、「松本むしの会」会員の県職員、田下昌志さん(55)=長野市=が見つけた。周辺のフジヅルにも多くぶら下がっていたという。畑を所有する同市の男性(63)は「母も初めて見る虫だと言っている。量も多く、収穫時に体に付く」と話す。「農作物への影響はまだはっきりしないが、被害が少ないことを祈りたい」

 ナナフシモドキは体長10センチ程度。木の枝に似た姿をしている。卵の状態で越冬し、春にふ化し、夏にかけて成長する。ケヤキやヤマザクラ、ニセアカシアなどの葉を好むとされる。雄が確認されるのはまれで、雌が単為生殖を繰り返す。条件次第で爆発的に増える可能性はあるというが、国内で同規模の大量発生の報告はなく、農作物などへの影響は詳しく分かっていない。

 東城教授は、これまでは卵での越冬時の冷え込みで発生が抑えられていたが、ここ2年は最低気温が十分に下がらなかったことなどが大量発生につながったと推測。「夏に相当数の卵を産み落としている。今冬も同様だと来年はすごいことになるかもしれない」とする。

 研究室では、採取したナナフシモドキの遺伝子解析を進めている。ウメやヤマブキの葉も好むことが分かり、「さらに生息域を広げる可能性がある」とする。今後、卵のふ化率や推定個体数、食べる葉の量などを調べる予定だ。

(11月5日)

長野県のニュース(11月5日)