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闇屋が闇ルートで仕入れた闇物資を闇市で闇値で買う―。「闇」の付いた辞書の言葉をつなげると、こんな具合になる。敗戦の混乱期、合法的な配給だけでは飢えをしのげない。庶民は闇に頼った。違法であっても仕方ないことだった

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「闇繰り越し」はどうか。もっぱら県林務部職員の間で使われていた隠語である。年度内に事業が終わらないのを承知の上で補助金を交付し、予算を消化すること。違法行為に当たる。去年、大北森林組合の補助金不正受給事件の公判で明らかになった

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今度は県庁の実務担当者が「全地方事務所にまん延していた」と発言した会議の録音があることが判明した。予算が増えて各出先では体力以上の仕事量になったのだという。自ら「闇繰り越し」と公言したところに、後ろめたさよりも仕方ないことと開き直った思いがうかがえる

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使い切らねば能力が疑われる、翌年度の予算を削られ組織の存在意義も問われる―。年度末、予算消化に走るのはお役所の習わしだ。事務機器の納入業者に聞くと、忙しくなるのは余りそうと分かる2月ごろ。即納できる商品がありがたがられるという

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負担が増す納税者にすれば腹立たしいばかり。効率よく働き予算を節約した職員や組織を評価する、余力は足りない部署に回す―。全体を見渡し県民にとって何が最適かを考えるのは上に立つ者の務めだ。使い道に困るような森林税なら区切りを付けるのもトップしかできない決断である。

(11月5日)

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