長野県のニュース

斜面

税率が極端に低いタックスヘイブン(租税回避地)を利用して税金を減らすのは、お金持ちの“錬金術”では当たり前のようだ。去年のパナマ文書に続いて英領バミューダ諸島などの内部資料「パラダイス文書」が実態を暴いてみせた

   ◆

国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手した資料は1340万通。各国記者が確認した名前は税金を使う側の政府要人も多いというから「いやはや」である。その一人、ロス米商務長官はロシアの政権に近い企業からの利益もあったという

   ◆

ロス氏はカジノ経営で破産しかけたトランプ氏を救った恩人でもある。ロシア疑惑の捜査進展を気にしつつ日本で歓待を受ける大統領の心中やいかに。選挙では「既得権層が富を独占している」と批判して勝ったのに、税逃れの閣僚を抱えていては天につばするようなものだろう

   ◆

回避地はフランス語で「税の楽園」と表しリゾート地も多いことから「パラダイス」の名が付いた。しゃれっ気がある。お金持ちのヘイブンはヘブン(天国)でもあろう。経済のグローバル化は富裕層のみ手にできる楽園を増やし、富の偏在を加速した

   ◆

日本の企業、人名も千件を超す。この際、税務当局は大いに調査能力を発揮してほしい。一般市民には知るすべもない楽園に迫るには、何よりも内部告発が有効だ。暴露を評価することで抑止効果も期待できよう。楽園を許さぬ国際世論の潮流を作ること。それがメディアの役割でもある。

(11月7日)

最近の斜面