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墜落ヘリ 北アでも活躍 群馬の事故機体 荷上げに利用

北ア涸沢周辺で山小屋の荷物運搬に活躍した東邦航空のヘリコプター=2012年7月(塩尻市の丸山祥司さん撮影)北ア涸沢周辺で山小屋の荷物運搬に活躍した東邦航空のヘリコプター=2012年7月(塩尻市の丸山祥司さん撮影)
 群馬県上野村で8日に墜落した東邦航空(本社・東京)のヘリコプターは比較的大型で、長野県内の北アルプス南部の山小屋の荷上げ作業によく使われていた。作業には事故死した4人も関わってきただけに、山小屋関係者が受けた衝撃は大きい。頼りにしてきた機体と4人の命が同時に失われ、関係者からは、来春の小屋開け作業への影響を懸念する声が出ている。

 「大きいヘリが長期間使用できないと、運営に支障が出る山小屋があるかもしれない」。北ア北穂高岳(3106メートル)の北穂高小屋社長の小山義秀さん(49)は指摘する。

 今回墜落したのは、重さ約2トンの物資を運ぶことができる「スーパーピューマ」と呼ばれるヘリ。東邦航空によると、大型の除雪機や発電用エンジンを運べるのは同社ではこの機体だけだった。北ア南部の各山小屋間で長年、ヘリ使用の調整に携わってきた小山さんによると、一帯では年に数回使われてきたという。

 北ア涸沢にある涸沢ヒュッテでも毎年4月、小屋開けの前に除雪機などの運搬を頼んでいた。社長の山口孝さん(69)は「山小屋の運営はヘリで成り立っている」とし、来年の春山シーズン以降への影響を心配する。

 犠牲になった4人を知る山小屋関係者は少なくない。小山さんは、機長の北川一郎さん(60)について「抜群の腕前で、山岳地帯の地形や気流を熟知していた」。整備士の杉山勝彦さん(50)、滝沢俊太(としひろ)さん(27)、池田裕太さん(22)に関しても「チームワークで仕事をしていた」と振り返る。

 北川さんは、東邦航空がかつて県内の山岳遭難救助に携わっていた時代に、救助用のヘリを操縦していた。山口さんは、北川さんが操縦するヘリからワイヤを使って遭難者の救助に降りた経験もあり、「信頼できる山の仲間。残念でならない」とショックを隠さなかった。

(11月10日)

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