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平和の思い込めたカンナ 須坂から世界へ

長崎に送るカンナの球根を手に記念写真に納まる児童や園児ら=11日、須坂市長崎に送るカンナの球根を手に記念写真に納まる児童や園児ら=11日、須坂市
 平和への思いを込めて育てたカンナを世界へ―。原爆投下直後に広島の爆心地近くで咲いたカンナのエピソードに感銘し、須坂市などで育てたカンナを配って平和の尊さを伝える「カンナ・プロジェクト」を続ける橘凛保(りほ)さん(60)=東京=が23日、被爆地の長崎市で開かれるキリスト教の国際的催しでスピーチし、球根を国内外からの参加者に配る。須坂市高梨町の花壇を管理する団体や地元の子どもたちは11日、催しに持参してもらう球根を橘さんに託した。

 プロジェクトは、橘さんが広島市の広島平和記念資料館で原爆投下の1カ月後に咲いたカンナの写真パネルを見たことをきっかけに2004年から始めた。須坂市内の園芸業者が無償提供した球根を株分けして広まった経緯があり、取り組みは東日本大震災や熊本地震などの被災地のほか、世界14カ国に広がっている。

 催しは、被爆で全壊後に再建された浦上天主堂が会場。ドイツの神学者マルティン・ルターが宗教改革を唱えて500年の節目を記念し、シンポジウムや礼拝が行われる。国内外から約1500人が参加予定。橘さんらは「シンボルフラワー」としてカンナの球根を渡し、各地で植えてもらう計画だ。

 11日は、高梨町の花壇を管理し、毎年カンナも植えている梨ノ木街道管理委員会の関係者や地元の小学生、幼稚園児ら40人余が参加。5月に花壇に植えたカンナの球根4千個ほどを掘り起こし、長崎に送る準備をした。日野小学校6年の中村朱里さん(12)は「須坂から世界に広がっていくことは市民として誇らしい。小さな平和を思う気持ちが大きくなっていくとうれしい」と話した。

 橘さんは「宗教や国の枠を超えてカンナの花に込める平和への思いを、次世代につなげていきたい」と話した。プロジェクトのきっかけになった写真のパネルは広島平和記念資料館の耐震改修工事に伴い、須坂市が譲り受け、現在は市メセナホールに展示されている。

(11月12日)

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