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少年立ち直り、学生が力に 長野少年鑑別所が信大院生らに感謝状

長野少年鑑別所の職員と打ち合わせをする山木さん(右から2人目)と上村さん(中央)。入所少年と一緒に運動や季節の行事を行ってきた長野少年鑑別所の職員と打ち合わせをする山木さん(右から2人目)と上村さん(中央)。入所少年と一緒に運動や季節の行事を行ってきた
 長野少年鑑別所(長野市)は13日、入所の少年と交流してきた信州大大学院教育学研究科(同)の学生らに、感謝状を贈った。心理学を学ぶ学生たちが2013年から活動を受け継いでおり、年齢が近く親しみやすい存在として少年たちと接し、少年が社会性を育む機会になってきた。教員やカウンセラーを目指す学生たちは、経験を将来の仕事に生かそうとしている。

 同鑑別所は、家庭裁判所で審判を受ける前の非行少年らが入所。職員が心理学や教育学などの知識に基づいて非行の背景を分析し、立ち直りへの指針を示す役割を担う。

 活動は、同大の鈴木俊太郎准教授(臨床心理学)が12年に当時の所長と知り合ったのがきっかけで始まった。臨床心理学を学ぶ大学院生が主に参加しており、現在は9人が関わっている。運動は週3回、少年や職員と大縄跳びやキャッチボール、卓球などをしている。たばこやアルコールの害、ネット情報をどう読み取り、どう正しく使うかなどを伝える話もしてきた。

 「実際に会ってみると、気さくで優しい子が多かった」と同科2年の金子杏弓(あゆみ)さん(25)。非行は「子ども個人ではなく、取り巻く環境に要因があるのだと強く感じるようになった」。将来は臨床心理士として児童養護施設などで働くことを志望しており、「すごくいい経験になった」と話す。

 同鑑別所の東山哲也・鑑別部門首席専門官は、入所の少年は非行仲間以外に受け入れられた経験が乏しいとし、学生との交流は「少年が社会に戻った際、新たな人間関係をつくっていく一歩を踏み出す勇気になる」と期待。交流の様子について「(職員と)面接で話すより『リアルな行動』が見られ、少年たちを理解するのに役立っている」面があるとも説明する。

 13日の授与式には、ともに同科2年の上村桃香さん(23)と山木柚子さん(23)、鈴木准教授が参加。等々力伸司所長から感謝状を受け取った鈴木准教授は「学生、鑑別所の双方に良い循環が築けている」と語った。山木さんは「これからも楽しく続けていきたい」と話していた。

(11月14日)

長野県のニュース(11月14日)