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救急車に反射材 夜間の事故防げ 大北の消防署

車体の側面や後部に目立つように反射材を施した救急車。交通事故で救急隊員の友人を失った吉沢さん(左)が導入を働き掛けた=14日、大町市車体の側面や後部に目立つように反射材を施した救急車。交通事故で救急隊員の友人を失った吉沢さん(左)が導入を働き掛けた=14日、大町市
 大北地方の消防署で夜間の交通事故を防ぐために車体に大きな反射材を施した救急車や消防車の利用が広がっている。北アルプス広域消防本部(長野県大町市)の救急隊員吉沢彰洋さん(49)が、県外の救急隊員の友人が夜間出動中に交通事故で亡くなった出来事を機に、二度と同様の事故を起こすまいと全国に先駆けて導入に動いた。専門家からは全国への波及を期待する声が上がっている。

 きっかけとなったのは2012年1月に神戸市消防局の救急隊員金谷謙児さん=当時(43)=が犠牲となった事故。金谷さんは同市内の現場に高速道路で向かう途中、乗っていた救急車がトラックと接触して走行不能に。後続車の追突を防ごうと車外で安全措置を取っていた金谷さんを乗用車がはねた。

 吉沢さんは、災害時の対応を学ぶセミナーで金谷さんと知り合い、同い年の救急救命士として親交を深めていた。

 吉沢さんは、赤色灯の消えた救急車が暗闇で見えづらかったことが事故の原因と考え、車両に大きな反射材を付けることを考えた。勤務先の南部消防署(北安曇郡松川村)に働き掛け、同署は15年11月に救急車と資機材車の前方、側面、後方に反射材を付けた。

 北ア広域消防本部は救助する側とされる側、いずれの命を守るためにも効果があると判断し、車両を更新するたびに反射材を施すようになった。15日には北部消防署(同郡白馬村)に新しい救急車が配備され、これで大町消防署(大町市)を含む全3署に反射材付きの車両がそろい、計5台となる。

 日本交通科学学会(東京)の一杉正仁副会長(滋賀医科大教授)は「人命救助を担う救急車が事故防止のために反射材を付ける意義は大きい」と評価し、「日本中で取り組みを進めるべきだ」とする。吉沢さんは「同じような事故が二度と起きないでほしい」と改めて願った。

(11月15日)

長野県のニュース(11月15日)