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映画「一茶」制作会社 未払い金計1億7千万円

 上水内郡信濃町出身の江戸時代の俳人、小林一茶(1763〜1827年)の生涯を描いた映画「一茶」の県内ロケで、飯山、須坂、長野市の9団体が立て替えた経費少なくとも2千万円余が未回収になっている問題で、10月に破産開始決定を受けた都内の制作会社の未払い金が現時点で、スタッフの給料や撮影経費なども含め全体で計約1億7千万円に上ることが14日、関係者への取材で分かった。映画は現時点で公開見通しが立っていない。

 映画制作に関わったスタッフや団体などは「映画『一茶』を救う会」を近く立ち上げ、公開に向けてスポンサー企業や支援者を募る方針。得られた興行収入を、未払い金の支払いに充てることを検討している。

 制作に携わったプロデューサー桜井勉さん(69)=埼玉県川口市=によると、映画はほぼ編集を終えており、「1週間もあれば、映画は完成する」という。ただ、完成させるには約1500万円ほどの資金が必要な上、業者に配給を委託する費用も必要になるという。

 制作会社の破産開始決定を受け、桜井さんや映画の助監督、録音技師ら6人が10月下旬から救う会設立の準備を始めた。現在、設立趣旨書を作成しており、未払い金が生じている関係団体などに送って、今後の対応について一任を取り付けることを検討している。制作会社には支払い能力がないため、現時点で民事訴訟などは考えていないという。

 桜井さんは「一茶は(今年2月に亡くなった)吉村芳之監督の遺作でもあるので、何としても上映させたい。興行収入で返金できる部分があれば、関係者や団体に返金したい」としている。

 飯山市ロケの窓口となった一般社団法人・信州いいやま観光局(飯山市)によると、県内では同観光局のほか、飯山市と長野市、須坂市の計8団体で立て替えた費用が未回収になっている。同観光局の森山直明・事務局長は「救う会の活動に協力し、お金を回収したい。撮影には市民のエキストラも参加しており、公開に期待したい」とする。ロケ地の一つで未回収金がある田中本家博物館(須坂市)は今後の対応を救う会に一任する考え。田中新十郎館長(42)は「初めてのケースなので、皆さんと協力して対応する方が良いと考えた」としている。

(11月15日)

長野県のニュース(11月15日)