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COP23 危機感と熱意失わずに

 ドイツのボンで開かれている国連気候変動枠組み条約第23回締約国会議(COP23)が最終盤を迎えた。

 主なテーマは、2020年に始まる「パリ協定」に向けたルールづくり。先進国と途上国の意見がかみ合っておらず、来年夏ごろに追加会合を開く見通しとなっている。

 洪水や豪雨、干ばつ、生態系の激変…。地球温暖化の深刻な影響を食い止めることは、どの国にとっても喫緊の課題だ。2年前に協定をまとめた危機感と熱意を、各国は保ち続けてほしい。

 協定は、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにし、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えることを目標とする。

 各国が温室効果ガスの削減目標を定めているものの、達成年が異なったり、森林の二酸化炭素吸収量を計算に入れたりと、基準が一定でない。そこで基本的なルールを設けることになった。

 けれど、ガス削減の手法と検証方法、各国の削減目標見直しの在り方などを巡って対立が続いているという。途上国は、大量にガスを出してきた先進国の責任を重く見ていて、これから発展を目指す国々に一律にルールを適用することに難色を示している。

 先進国で排出量が最も多い米国のトランプ大統領は6月、パリ協定からの離脱を表明した。今回の会合で米政権は、エネルギー効率を高めてガスの削減を図ると主張したが、説得力を欠く。

 COP会場では、米国の自治体や企業、大学をはじめ2500の団体からなるグループが、政権とは一線を画してガス削減に取り組むと訴えた。トランプ政権の孤立が鮮明になっている。

 先進国で2番目の排出国である日本も米政権を笑えない。東南アジアでの石炭火力発電所建設に融資を続ける政府の姿勢が、COPで批判の的となった。世界の環境保護団体からは温暖化対策を妨げている国と名指しされている。

 二大排出国がこの体たらくでは途上国をけん引することはできまい。欧州各国を含め、先進国が掲げた削減目標は低すぎ、公平性を欠くとの分析結果を、環境NGOが公表してもいる。

 「過去の責任」をいま追及するのが建設的かはともかく、より高い意識での計画と実践とが先進各国に求められる。

 大気中の温室効果ガスの濃度は年々高まっている。せめぎ合う時間はない。協定を軌道に乗せることを念頭に、実効性のある仕組みを急ぎ整えてもらいたい。

(11月16日)

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