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バスで自動運転実験 国交省が伊那市長谷で実施へ

 国が2020年度の実用化を目指す自動運転で、国土交通省の実証実験地域に県内で唯一選ばれた伊那市長谷地区の詳細な実験内容が17日、分かった。小型バスを改造した車両を使い、衛星利用測位システム(GPS)で位置情報を把握して最高時速40キロで進む。年明け以降の本年度内に1週間にわたって実走する予定で、積雪や路面凍結時にも安全に走れるかどうか確かめる。

 国交省は本年度、高齢化が急速に進む中山間地域での物流を含めた移動手段確保に向け、全国13カ所で自動運転の実証実験を行う計画。

 伊那市では道の駅「南アルプスむら長谷」を拠点に、市は主に国道152号を走る約6・9キロ、近くの美和湖沿いの河川管理道路を走行する約1・2キロの2ルートを想定。一般車両も走る公道と、一般車両を規制した専用エリアで行う。他の実験地域よりも勾配がきつく、カーブも多いという。

 自動運転のシステムは東京大発ベンチャー「先進モビリティ」(東京)が開発。GPSの電波が届かないことも想定し、一部区間は磁気を発する「マーカー」を路面に敷設し、車両に載せた装置が検知しながら走行することも検討する。

 乗車定員は20人で、実走実験では一般の地域住民を乗せ、感想や意見を聞くことを今後提案する考え。システムの不具合などに備え、車内に監視員を置く。GPSの受信状況、人が運転しない車に乗った高齢者らの心理面への影響なども検証し、年度末に中間取りまとめをする計画だ。

 17日、国土交通省や市、交通事業者、地元住民代表らでつくる地域実験協議会の初会合を市長谷総合支所で開き、国交省や市などが報告した。白鳥孝市長はあいさつで、長谷地区は高齢化が進み集落が点在しているとし「解決策として自動運転が広がれば住民の安心が増す」と期待した。次回会合で実走ルートなどを正式に決める。

 伊那市は市内で20年度の自動運転の実用化を目指している。高齢者の買い物や通院、観光や物流での活用を想定。実証実験で得た成果や課題を自動運転サービスに生かす考えだ。

(11月18日)

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