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「北斎賞」で芸術家育て 小布施などの有志構想

 国際的なブームとなっている江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎(1760〜1849年)を顕彰し“未来の北斎”を育てようと、北斎ゆかりの上高井郡小布施町と東京都墨田区の有志が、2020年東京五輪を目標に、美術賞「北斎賞」創設を構想している。25日にプロジェクトチームを立ち上げ、機運を盛り上げるさまざまな事業に取り組む。

 北斎は現墨田区生まれで、小布施には地元の豪農商、高井鴻山の招きで晩年に4回、訪れたとされる。今年5月から英国の大英博物館、10月からは大阪市のあべのハルカス美術館で晩年の北斎に焦点を当てた展覧会が開かれ、小布施町の北斎館も来館者数が増えているという。

 この流れを未来につなげたいと、小布施町の栗菓子店や出版社、墨田区の繊維会社などの経営者らがチーム結成で意気投合。プロジェクトの象徴として北斎賞創設を目標に掲げることにした。現時点では、国内外や過去にもさかのぼり、画家などの美術関係で功績のあった人を表彰することが考えられるとしている。

 これに向けて、25日からインターネットで資金を募るクラウドファンディングを始め、北斎関連本の出版を予定。ノンフィクション作家の神山典士さん(信州大出身)が現在、墨田区から小布施町へと晩年の北斎が歩いた道約250キロを断続的に歩いて取材を進めている。また、その道のりを基に墨田区と小布施町を結ぶ「北斎ロード」を策定。来夏には、この道を歩く催しを計画している。

 日本とフランスが来年開く日本文化紹介行事「ジャポニスム2018」への出展や、国内外の北斎に関する展覧会や論文、観光情報などを紹介するサイト制作も企画中。プロジェクト事務局の出版社「文屋」(小布施町)の木下豊代表は「活動を通じて世界の人が憧れる賞をつくり、世界の北斎を地域の文化としてさらに根付かせたい」。市村良三町長も「事業内容によっては支援を考えたい」と夢の行方を見守っている。

(11月18日)

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