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歌舞伎と人形コラボ 下條 保存会と今田人形座23日公演

主人公がわが子の首と対面する場面を演じる下條歌舞伎保存会主人公がわが子の首と対面する場面を演じる下條歌舞伎保存会 主人公の夫婦が白装束姿でわが子の死を悼む場面を演じる今田人形座主人公の夫婦が白装束姿でわが子の死を悼む場面を演じる今田人形座
 下伊那郡下條村の「下條歌舞伎保存会」と飯田市で人形浄瑠璃を継承する「今田人形座」が23日、一つの演目を人間の役者と人形の場面に切り替えて演じる合同公演を下條村で開く。両団体で語り役「太夫(たゆう)」を務める川上秀子さん(60)=下條村=が呼び掛けて実現。歌舞伎と浄瑠璃のそれぞれの見せ場を観客に楽しんでもらう初めての試みだ。

 演目は「菅原伝授手習鑑(てならいかがみ)寺子屋の段」。恩義のある菅原道真の子を救うために、わが子の命を身代わりにする主人公の悲哀を描いた物語だが、笑いの要素を盛り込んだ子役の場面があるのも特徴だ。

 前半は、子どもが読み書きを習う寺子屋の場面で、下條歌舞伎保存会が、村内の小学生でつくる「こども歌舞伎教室」のメンバーと演じる。後半は、白装束を着た主人公がわが子の死を悼む場面。今田人形座が人形の動きで悲嘆を表現する。公演では、主人公がおけに入ったわが子の首と対面した後の場面で切り替わる。

 19日夜、本番を前に村内で通し稽古が行われた。歌舞伎保存会と人形座の計約50人が参加し、約10分間の幕あいで舞台を組み替える作業を確認。主人公が悲しむ場面は、歌舞伎と浄瑠璃の表現に大きな違いがあるという。歌舞伎保存会員は、人形の手足が大胆に動く様子を興味深そうに見入っていた。

 飯田市出身の川上さんは、20代で今田人形座で太夫として活動を始めた。結婚を機に下條村に移り住み、歌舞伎保存会の太夫に加わった。同じ演目でも、地域によってアドリブに相当する特有の場面があったり、役者と人形で感情表現に違いがあったりと、地芝居ならではの魅力を感じてきた。3年ほど前から両団体と構想を練り、県の地域発元気づくり支援金を活用して実現にこぎ着けた。

 川上さんは「お客さんにより面白いものを見せたいという思いが両団体で一致した。地芝居の表現の幅をぜひ見比べてほしい」と来場を呼び掛けている。

 公演は午後2時40分から、下條村コスモホール大ホール。入場無料。開演前の午後1時から下條中学校歌舞伎クラブによる公演もある。

(11月21日)

長野県のニュース(11月21日)